卒業アルバム制作からNFTアート販売へ 印刷を核に新規事業創出を目指す
福岡県北九州市に本社を置く印刷会社のマツモトは、業界内で高いシェアを持つ卒業アルバムを中心にものづくりを創業から90年以上にわたって続けてきた。将来を見越して、ブロックチェーン技術を活用した分散型ネットワークのWeb3による新事業の創出に取り組んでいる。

松本 大輝 (マツモト 代表取締役社長)
全国の約7000校の
卒業アルバムを制作している企業
マツモトは1932年に、写真撮影を行う松本写真工芸所として創業。戦後は卒業アルバムの制作を始め、1949年には社名を松本写真印刷社に変えた。さらに1989年には組織を変更し、現在の社名になった。
主力のアルバム事業では、アルバム制作のフルデジタル化をいち早く実現。現在は年間約7000校の卒業アルバムのほか、ウェディングや七五三、成人式などのフォトスタジオ向けアルバムも制作している。他にはカタログやポスターなどの一般商業印刷事業やデジタル印刷事業を展開し、近年は新たにブロックチェーンを使ったWeb3事業にも注力している。

マツモトの主力事業は卒業アルバムの制作。いち早く制作工程のフルデジタル化を達成した。結婚式や成人式などのアルバム制作も手掛けている
「印刷業はどちらかというと衰退産業ですが、マツモトにとっては祖業であり、これを否定してしまえば何も残りません。ですから、今後も印刷業や卒業アルバム事業で培ったモノづくりのノウハウを活かしつつ、分野を広げ+αで新たな事業に取り組んでいく方針です」。
代表取締役社長の松本大輝氏はこう語る。松本氏は2008年に、父・敬三郎氏が社長を務めていたマツモトに入社。常務取締役営業本部長に就任し、デジタル印刷市場の開拓や商品・市場開発、新規顧客の拡充のほか、Webビジネスの設計や事業化を担当。そして2022年には、代表取締役社長に就任した。
「当社では父が社長を務めていた2000年初頭から、様々な新規事業に取り組んでいましたが、それらは全て印刷事業の延長線上にありました。しかし、私が社長に就任してからは、印刷以外の製造に関わる新規事業にも取り組んでいます。社長就任時に作ったミッションは『想像を超える、創造を』で、ビジョンは『“唯一無二”のモノづくりで百年技術と共に新時代へ』というものです」。
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