冷凍トラック開発のパイオニア 設備投資とDXで物流業界を変革

1956年に業界未経験の女性が福岡で立ち上げた福岡運輸。日本で初めて冷凍トラックを開発したパイオニアであり、福岡に本社がありながら、全国をカバーして順調に成長してきた。創業65年を迎え、「業界全体の発展に貢献したい」と熱い思いを抱く富永社長に、今後の事業構想を聞いた。

富永 泰輔 福岡運輸 代表取締役社長

日本初の冷凍トラックを開発
定温輸送と対応力が強み

漁業に携わっていた夫をはやくに亡くした富永シヅ氏が、1956年に40代半ばで設立した福岡運輸。当時、日本に駐留していた米軍からアイスクリームなどを運んでほしいと依頼されて、大手運送会社でさえも取り組まなかった冷凍車の開発に乗り出し、1958年に日本で初めて冷凍トラックを開発した。一般家庭に冷蔵庫が普及する前のことで、この画期的開発により、日本人の食生活に革命が起きたといわれる。

国産第一号機械式冷凍庫(矢野式冷凍庫)

「創業者がよく口にしていた『社会に必要な仕事をしよう』『社会の役に立つ会社であろう』『社会を良くする会社であろう』という志を、私たちは創業から65年を迎えた今も、経営理念に刻んで大切に引き継いでいます。冷凍をはじめ、チルドや10℃など温度を一定に保って配送する『定温輸送』が我が社のアイデンティティであり、現在なお全体の8割を占めています」と語るのは、創業者の孫にあたる富永泰輔氏だ。2012年に同社の5代目代表取締役社長に就任し、陣頭指揮を執ってきた。

福岡運輸の特徴は、福岡に本社を置きながら日本全国をカバーしていることだ。早くから各地に拠点を構えて、今では北海道から鹿児島まで全21拠点を軸に業績を伸ばしている。また、顧客に寄り添う柔軟な対応力が、同社の大きな強みといえる。

「運送業界は、それぞれ扱うものやサイズ、運び方などを絞って営業している会社が多々あります。そうした方が効率はいいですから。しかし、当社は冷凍から冷蔵、ドライまで、お客様の要望に応じて温度帯を設定します。また、サイズについても小口や中口、貸し切りまで幅広く対応しています。お客様の要望や期待にいかに応えていくか、少しストレッチがかかっている環境の方が楽しくやりがいを感じられて、社員や会社が成長する糧になるのではないかと考えています」

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