あったらいいな、を原点に挑戦 アート引越センターのパイオニア精神
日本初の「引越し専門業者」であるアート引越センターは、引越し運送を機軸にしながらも事業領域を広げ、暮らし方を提案するサービス業へと進化を遂げてきた。「あったらいいな」をサービスや経営施策に落とし込み、業界をリードし続ける同社の歩みについて寺田政登社長に訊いた。

寺田 政登(アート引越センター株式会社 代表取締役社長)
「引越し業」という
新たな分野を創造
アート引越センターの歴史は、1968年に寺田寿男氏(現会長)が個人事業として寺田運輸を興したことに始まる。寺田寿男・千代乃夫妻が雨の日に車で走っていたところ、たまたまどこかの運送会社の平ボディトラックに積まれた引越荷物が濡れているのを見かけ、自社のアルミバントラックであれば濡らさずに運べるのでは、と考えて、引越をやろうと思いついた。一般物流では主要顧客の多くが週休2日だったため、休日に空いているトラックを有効活用することもできる。
「それまで物流会社などが片手間的に転居時の荷物運びをお手伝いしていました。本業はBtoBですので、一般のご家庭からお問合せがあってもドライバーがぶっきらぼうに答えてしまう。お客様もオドオドしながら電話するといった有り様でした。それを、電話の窓口で女性オペレーターが丁寧に対応するスタイルに変えたのです」と、代表取締役社長の寺田政登氏は語る。
1976年から本格的に引越業に進出し、翌年には千代乃氏(現名誉会長)を社長として法人化。まさに「ファーストペンギン」の企業である。高度経済成長を経て人々の生活が豊かになるにつれ、個人の転居は増加していき、追い風になった。広告宣伝に高い関心を持っていた寿男氏のCM戦略も見事だった。
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