紙製品メーカー・山櫻 「紙」から、地球の本当の豊かさを追求

1931年創業の紙製品の総合メーカー、山櫻。創業家出身で三代目社長の市瀬豊和氏は、SDGsの浸透前から、「本当の豊かさ」の実現を目指すエシカルな経営に注力してきた。同社が現在取り組むのは、消費者が「選択しても選択しなくても、山櫻の製品を使うことでエシカルな行動に繋がる」仕組みづくりだ。

古紙配合率偽装事件を機に
改めて考えた環境配慮の意味

市瀬 豊和(山櫻 代表取締役社長)

山櫻は1931年の創業以来、名刺・はがき・封筒などを製造・販売する紙製品の総合メーカーだ。同社は1990年、業界で初めて古紙を配合した紙製品の販売を開始。その後もエシカルな紙製品の企画・販売に取り組み、2018年には環境省のグッドライフアワードで、社会課題の解決と事業成長の両立を目指す企業の取り組みを表彰する「サステナブル・ビジネス賞」を受賞している。

山櫻が本格的にエシカルな紙製品の開発に取り組むきっかけとなったのは、2008年に起きた古紙配合率偽装問題だ。古紙パルプの配合率が、製紙会社が公表していた数値(40~100%)を大幅に下回る1~5%だったことが発覚したのだ。それを使用していた山櫻の製品も同様に古紙率の公表値を下回ることになったため、顧客から殺到したクレームに対応する日々を送った。

「中でも名刺のクレーム対応が一番大変でした」と、代表取締役社長の市瀬豊和氏は当時を振り返る。

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