世界的ソムリエとタッグを組み 革新的な日本酒で世界市場に参入

230余年にわたり、昔ながらの酒造りを大切に守り続けてきた田中酒造店。同社は2020年8月、日本酒の新たな可能性を世界に打ち出す酒「TANAKA 1789×CHARTIER」を発売した。今後本格的に世界市場での展開を目指すという同社社長の永井氏に、その開発経緯を聞いた。

永井 邦彦(株式会社田中酒造店 取締役社長)

新商品開発へつながった
世界最優秀ソムリエとの出会い

国内有数の穀倉地帯である加美町で230余年にわたり酒造りを続ける田中酒造店。2009年には、自然の乳酸菌の力を活かす昔ながらの製造法「生酛(きもと)づくり」を67年ぶりに復活させたほか、オリジナルの「お酒の子守唄」を4カ月聞かせ熟成させた「音楽酒」を造るなど、伝統を守りながらも新たな挑戦を続けている。

国内の日本酒の消費量は長期的に下落傾向が続くが、輸出量は2019年度まで10年連続で過去最高を更新するなど、海外での評価は高まっている。田中酒造店は2015年に輸入車ディーラーを主力事業とするジーライオングループの傘下に入り、新たな歴史をスタート。同グループはリブランド事業として、大阪の赤レンガ倉庫を往年のクラシックカーを展示するミュージアムに生まれ変わらせたり、京都の老舗旅館をリノベーションしたりと、古き良き日本文化を現代に甦らせる事業も展開している。

「グループ入り以降、伝統ある当社ならではの強みを活かす新たな商品づくりに向け、試行錯誤を重ねてきました。そして、いつかは世界に送り出せるような酒を造りたいと考えていたのです。ちょうどその頃、世界のワイン技術者コンクール『ソペクサ・グランプリ1994』で世界最優秀ソムリエに輝いた経歴を持つフランス系カナダ人のフランソワ・シャルティエ氏が、2018年に当社を訪れる機会がありました」と社長の永井氏は語る。

田中酒造店を訪れたフランソワ・シャルティエ氏

シャルティエ氏は現在、飲料と食における香りの最適な組み合わせを、分子構造学などをもとに追求する「ハーモニークリエーター」として世界を股にかけて活躍している。

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