2020年11月号
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大企業×ベンチャー

未来のハードウェアを日本から ものづくりスタートアップ支援する「HAX Tokyo」

蓮村 俊彰(住友商事 新事業投資部)

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住友商事とSCSK、SOSV社によるアクセラレータープログラム「HAX Tokyo」は、日本から世界へ、新しいハードウェアに関連するスタートアップを育成している。採択されたスタートアップは、世界を舞台にしたビジネスを目指すことができる。

住友商事とSCSKは2019年から、中国や米国でアクセラレータープログラム「HAX(ハックス)」を運営するSOSV Investments LLC(SOSV社)と提携し、日本でのアクセラレータープログラム「HAX Tokyo」を開始した。

SOSV社はハードウェアやライフサイエンス、フードテック、ブロックチェーン等の領域に特化した特色あるアクセラレータープログラムを実施。それらを代表するHAXは、世界最大のハードウェア特化型アクセラレータープログラムだ。

HAXの中でHAX TokyoはStage0と位置付けられる。採択されたスタートアップは日本で技術コンセプトやビジネスモデルの確立を目的とした約3ヵ月の支援プログラムに参加する。その後、中国の「HAX深圳」に採択されれば、Stage1として深圳でプロトタイプの製造、デザインや量産化体制の構築に取り組む。さらにStage2の「HAXサンフランシスコ」では、米国の有力ベンチャーキャピタル等の投資家から資金調達を図り、販売を開始してゆく。

「HAXはハードウェアのスタートアップにとってW杯のような場所で、HAX深圳には欧米やアジア諸国の天才起業家が集まっています。深圳のオフィスは様々な工作機械やプロトタイピングに必要なファシリティーが揃い、多様なメンター陣が常駐し、あらゆる部品が手に入る最高の立地にあります。狭き門を潜り抜けた世界のスタートアップが集まり、その才能を伸ばす設備も人材も環境も揃っているのです」。

蓮村 俊彰 住友商事 新事業投資部 部長代理

住友商事新事業投資部部長代理の蓮村俊彰氏は、HAX深圳についてこう語る。住友商事がHAX Tokyoを立ち上げたきっかけの一つは、HAXに参加する日本のスタートアップが極端に少ないことを知ったためだ。HAXの活動開始から8年、卒業生は250を超える。しかし、日本発のハードウェアスタートアップは2社しかHAX深圳に採択されていない。物づくりの伝統のある日本にはHAXに採択されるような才気溢れるハードウェアスタートアップがもっといるはずだ、そして住友商事は彼らのグローバルな活躍を支援できるはずだと考えたという。

「日本からの参加が少ない理由は、言語の壁のほか、そこそこの市場が期待できるので、『国内でやれば良い』と考える人が多いためかと思います。しかし、HAX深圳のような場に日本のスタートアップも参加しなければ、日本の競争力やグローバルなネットワークは相対的に弱くなってしまうという懸念がありました」。

深圳での挑戦の機会を
国内のスタートアップに

日本の起業家はHAX Tokyoを通過しなくても、HAX深圳に応募できる。しかし、HAX TokyoではHAX深圳の合否を決める責任者がメンターとなってアドバイスをする他、深圳に行くためにクリアすべきハードルやゴールを示すなどの支援をしてもらえる。ゴールは簡単なものではないが、それを達成すれば、高い確率でHAX深圳に採択される。つまりHAXTokyo は、HAX深圳へ行くための「予備校」のような役割を果たしている。

昨年11月に開始したBatch 1(1期生)には、▽スマートフォンで認証可能な宅配ロッカーを開発するVOX、▽タッチレスやウォークスルーの受付や決済を実現する製品を開発するPayless Gate、▽人間の指のようにものを掴めるロボットを開発するXela Robotics、▽3D測量や被災地探査などのロボットを開発するHaloworldが採択された。

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