滋賀県庁 情報連携強化で行政の働き方に革新を

ビジネスチャットの導入によって、従来の行政の働き方に革新をもたらそうとしている自治体がある。滋賀県庁では、アフターコロナを見据え、庁内で働く職員と在宅職員、情報政策課だけでなく、県内自治体や民間事業者との情報連携の強化を狙い、ビジネスチャットに大きな効果を期待している。

職員間の意思疎通を図る
画期的なツール

滋賀県庁では、部署を越えて情報連携する場面が多くあり、内線電話やメールに代わる簡便な庁内コミュニケーションツールを強く求めていた。インターネット環境で使えるチャットツールも検討にあがったが、業務で本格的に使うには限界があり、LGWAN環境で使用できるチャットを探していた。そんな時、令和元年度に発足した「スマート自治体滋賀モデル研究会」の場で『LoGoチャット』の情報を入手し、導入を決めた。

情報政策課・岩佐剛浩氏によると、当初は県が事務局を持ち、県内14市町で実施する「滋賀県スマート自治体研究会令和2年度共同研究事業」の情報連携手段としての活用からスタートする予定であった。しかし、4月7日の新型コロナウイルス感染症対策に伴う緊急事態宣言後、県職員のリモートワーク環境を整える必要があり、4月13日に導入申込を行い、4月16日には全職員を対象に約6000アカウントの準備を整えた。たった3日で準備ができるのも、庁内でのサーバー環境構築や初期費用が必要ないLGWAN-ASPのサービスのメリットである。

岩佐 剛浩 滋賀県 総合企画部情報政策課ICT企画室 主任主事

導入後、ICT企画室では、在宅勤務をする職員との情報共有のため、朝礼の代わりに、毎朝LoGoチャットのノート機能でその日の業務内容や連絡事項を共有している。日々の業務においても、従来は簡単な連絡であっても電話やメールが使われていたが、それがチャットに置き換わった。事前に用途別で関係者を招待したトークルームを作成しているので、メールと違って、すぐ用件から相談でき、手軽で、スピード感がある。なおかつ、抜け漏れなく関係者全員に情報伝達ができ、意思疎通が図れるところは、今までになかったものである。

「庁内でのやりとりは極力チャットで行うようにしています。以前はちょっとしたことでも電話をして、そのために業務が中断されたり、担当不在時に電話を受けてメモ書きをするなどの作業が発生していましたが、そうした時間が削減されました。また、既読・未読が一目でわかり、情報の共有状況を把握できることも便利です。他の部署からの問い合わせに対しても、課内で回答やノウハウがチャット上に残っているので、共有・蓄積しやすくなりました」(情報政策課・森野聖久氏)

森野 聖久 滋賀県 総合企画部情報政策課地域情報化係 主事

現在はLoGoチャットを導入してまだ1~2ヵ月であり、今後、さらに部署を横断したコミュニケーションの迅速化も期待している。

「他部署と連携して進める事業では、例えば打ち合わせ1つとっても、日程を合わせて会議室を予約して集まるといったプロセスが発生し、時間と労力がかかっていました。しかし、チャットを活用すれば、集まらなくても情報共有や意見交換ができ、調整業務の時間が大幅に短縮しました。チャットなら、スキマ時間も活用でき、場所を問わず、上下の関係も少し崩しながら会話することができます」(岩佐氏)

自治体の枠を超えて、
情報共有を図る基盤に

庁内のグループウエアとの違いとして、LoGoチャットの最大の特徴は他自治体との情報連携ツールとしても使えることだ。その特性を生かし、滋賀県では今年度、14市町が参加して共同研究事業が行われているが、その担当者間の連絡においてもLoGoチャットが活用されている。

「昨年度は県内の3市とともに研究会を開催し、その時はメールや電話、対面での会議、ビデオ会議等のツールを使っていました。しかし、今年度は14市町に参加自治体が増えて、ビデオ会議等では多人数での打ち合わせが難しいと感じていました。ビデオ会議は集まらなくてもよいというメリットはありますが、参加人数が多いほど発言の管理など主催者の役割が増え、構えてしまうことで精神的な負担感がありました。その点、チャットだと手軽で、意見を出しやすい。今後は、研究会のグループチャットに専門知識を持つシステム会社の方にも参加していただき、集まらなくても互いのナレッジを共有し、議論が深まる場づくりをしていきたいです」(森野氏)

また、全国の自治体職員がLoGoチャットで情報共有・意見交換をするコミュニティ「LoGoチャットユーザーグループ」があり、すでに参加者は500人を超えている。

「ユーザーグループで他の自治体から滋賀県庁のリモートワークの取り組みに関する問い合わせがあり、チャットで即座に対応することができました。ユーザーグループには、コロナ禍への対応をはじめ、RPA活用やGIGAスクールなど、最新の様々なテーマがあります。他の自治体がどうやっているのか、直接面識のない方にも気軽に照会・相談しやすい場になっています」(岩佐氏)

庁内コミュニケーションの活性化だけでなく、組織や自治体間の壁を越えて、既成概念にとらわれない情報共有が可能になりつつある。住民サービス向上に向けて、各自治体が単独で知恵を絞る時代は終わり、デジタルでつながることで、行政業務の質を高めていくアフターコロナの時代にLoGoチャットへの期待が高まっている。

自治体におけるビジネスチャット活用がもたらす未来

ここまで、4つの自治体のビジネスチャット導入事例を紹介してきた。これらをもとに「アフターコロナの自治体における業務改善の鍵はビジネスチャットにある」と開発元であるトラストバンク・木澤氏が語る。(株式会社トラストバンク 取締役兼パブリテック事業部長 木澤真澄)

令和元年の台風15号及び19号等による災害時のすみやかな情報共有や指揮命令系統の整備、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、庁内でのみ業務を遂行する働き方からテレワーク体制への移行、さらには県や近隣自治体との速やかな連携など、平時の業務効率化のみならず、有事にも対応できるICTの活用の必要性が高まっています。

このようなアフターコロナの社会へのスムーズな移行を考慮した際に、平時は業務の効率化を実現し、有事にはその延長線上でスムーズに同じICT ツールを活用できることが非常に重要なポイントになります。

その観点から、従来のビジネスチャットはインターネット環境でしか使えないものが多く、自治体の業務環境であるLGWAN環境でもインターネット環境でも使えるツールはありませんでした。それを初めて可能したのが、LoGo チャットです。そして、LGWAN-ASP サービスなので、ほかの自治体とつながることはもちろん、ID とパスワードを発行すれば、民間企業ともつながることができます。

これまで電話やメール、紙、対面が慣例だった自治体のコミュニケーション手段をチャットに置き換えることで、迅速でスムーズな情報共有や職員の生産性向上、ペーパーレス、コミュニケーションの活性化を実現しています。昨年9 月に自治体で初めて導入した埼玉県深谷市は、全職員1,142 名にアカウントを付与。職員1 人あたり年間44時間、全職員が活用した場合の人件費年間2億円相当の削減効果を試算しました。

今までの働き方は、各自治体の担当者や各部門が単独で取り組み、連携が取りづらい点と点でした。しかし、ビジネスチャットによりデジタルで簡単に相手に負担をかけることなくつながることで、点と点が結びつきやすくなり、さらには各部門を超えて、各地域を超えて協力し合う文化が広がり、全国の課題解決が一層進むことが期待されます。

令和元年9月に発表して以来、すでに341自治体(*関連団体含む)198,345 アカウントが導入し、導入効果を実感する声が多く届いています。関心のある自治体の皆さまは、是非お問合せください。

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株式会社トラストバンク
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担当:パブリテック事業部 三成・黒瀬・鎌田
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