2019年11月号

地方創生フォーラム 開催レポート

中山間地域の課題をIoTで解決 遠距離無料無線で通信圏外をゼロに

フォレストシー

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国土の約7割を占める中山間地域には課題が山積している。解決策の切り札として期待されるのがIoTの活用だ。携帯圏外地域で威力を発揮するフォレストシー社独自の無線規格の成果と展望を聞いた。

代表取締役社長 時田義明

「携帯圏外」を
遠距離無料無線で解決

フォレストシー(東京都江東区)が提供する「里山通信」は、中山間地域や海洋地域などにフォーカスし、IoT導入を支援する新たな通信プラットフォームだ。このような地域は、一般的な通信インフラが整備されておらず、従来はIoTの活用が困難だった。日本の国土全体を見ると、実は約4割がいまだに「携帯圏外」だ。そのため、里山・中山間地での暮らしや事業には、たいへんな不便を強いられる局面が多い。

「危険な作業をともなう林業従事者の死亡率は、米軍兵士よりはるかに高いというデータもあります。作業現場は携帯がつながらないため、緊急の場合も助けを呼べないためです。また、土石流の兆候を感知するため、山奥にセンサーを設置することはできても、麓に伝える手段はありませんでした。また、登山客が遭難しても、SOSを発信することができない。こうした課題はIoTの力で解決できるはずです」。同社の時田義明代表取締役社長は開発の背景にある思いをこう語る。

同社独自の無線規格「GEO-WAVE」を用いれば、携帯圏外を含む山奥に設置された各種センサー端末の情報をクラウドサーバーまで届けたり、SOSを発信するコミュニケーション端末同士を遠距離かつ双方向で通信させたりすることもできる。しかも通信料は無料だ。

獣害対策で大きな成果

すでに大きな成果が現れているのが獣害対策だ。野生動物による農業や生活の被害が深刻化する一方で、獣害を抑止するハンターは高齢化が進み、その数は減少する一方だ。同社の「オリワナシステム」は、野生動物捕獲の際にわなの作動状況をリアルタイムに監視できる製品。森林・高山・山奥の農地などでも簡単に通信が可能になる。わなを見回る負担軽減や捕獲された動物への負荷低減が期待できる。北海道から九州まで、すでに全国60地域(2019年8月現在)に実装しており、各自治体から高い評価を得ている。

「新しいシステムを導入するとなると、とかく実証実験にコストと時間を投下しがちです。でも当社ではその段階はすでにクリアしています。実験ではなく実装して課題を解決すべきときではないでしょうか」(時田氏)。

「オリワナシステム」に用いられている技術は、獣害対策以外にも貢献できる。対象は林業である。携帯圏外で危険な作業をする林業者の見守りやコミュニケーション手段として、万が一の時に位置情報を含んだSOSを送る手段として活用される。更には重機の稼働情報を麓や本部に知らせたり、重機の位置情報の補正通信、また市場が欲している木材情報を山に届ける。これら林業の安全確保と生産性を上げるために構築した「里山通信インフラ」を林業だけでなく、限界集落の安否確認・見守り、防災、農業のIoT化にも活用していく動きが各地でこの秋から始まろうとしている。

「当社の目標は、IoT機器による通信を日本の隅々まで可能にし、地域の課題を解決することです。たとえどんな奥山でも離島でも、見捨てる人と地域をつくらないIoTネットワークを通して、地方創生に貢献していきたいと考えています」(時田氏)。

 

株式会社フォレストシーへの

お問い合わせ


株式会社フォレストシー
担当 : 藤本 晶史
東京都江東区三好3-7-11
MAIL : fs_info@kbrains.co.jp
URL : https://satoyama-connect.jp/

 

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