2019年6月号
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地域活性学会10周年 地方創生特別セミナー

増田寛也氏が語る地方創生とXaaS 地域にサービス化の波が到来

増田 寛也(元総務大臣、野村総合研究所 顧問)

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2019年3月19日、事業構想大学院大学で、地域活性学会設立10周年記念の『地方創生特別セミナー』が開催された。増田寛也氏が人口減少時代の国土の課題や地方創生について語った。

増田 寛也(野村総合研究所 顧問 / 東京大学公共政策大学院 客員教授)

不動産はもはや『負の財産』

2014年に国土交通省が発表した『国土のグランドデザイン2050』では、国土の約半分にあたる居住地の約6割が、2050年に人口半減となり、2割は完全に無居住地域になるとレポートしている。

人口減少に歯止めがかからない中、国土の管理をどうするかは、大きな課題。空き家、空地、所有者不明土地などの問題は、既に多くの地域で顕在化し始めている。

増田氏は「4割以上の国民が『土地を持つことを負担と感じている』という意識調査もあります。不動産は今や『動かない財産』ではなく『負の財産』。土地神話は崩壊し、時代は人口減少によって大きく変化しています」と話す。

土地を個人の所有に任せていく時代は過ぎ、対応するには、人口増加時代に作った制度を変えていく必要がある。

「アメリカの『ランドバンキング』のような制度、仕組みを、日本も作っていく必要があると感じます」(増田氏)。

日本が立ち向かわなければならない最大の課題は人口減少。この問題は、中期・長期で様相は異なり、地域によっても状況は違ってくる。東京はこれからが高齢化の本番、一方、岩手などの特に中山間地域は、既に高齢者すら減りはじめている。人口減少の問題は、国一律ではなく、地域ごとにきめ細かく考えていく必要がある。

「人口減少においては、AIやIoTなどのテクノロジーをいかに活用していくかを考えなければなりません。楽観論は危険ですが、悲観論は益になりませんので、若者が希望を持って生きていけるビジョンを提示することが必要です」(増田氏)。

東京一極集中のリスク

地方創生が始まって4年。5年目の今年は第一期総合戦略の最終年となる。地方創生の最大の目的は、人口減少への歯止めと、東京一極集中の是正。

「『東京一極集中の何が悪いのか』といった意見もありますが、通信環境の発達した現代、場所は選ばないはずですから、東京集積へのメリットは少ない。むしろ、災害のリスクを考えるべきです」(増田氏)。

内閣府の調査によると、首都直下地震(M7クラス)、南海トラフ地震(M8-9クラス)の発生確率は、30年以内に70%程度。首都直下地震での最大被害総額は95.3兆円にのぼると推計される。また、ドイツの保険会社が世界50の大都市を対象とし、自然災害リスク指数を算出した結果、東京・横浜は、自然災害発生の可能性や災害に対する脆弱性が高いうえ、世界有数の資産が集中することから、自然災害リスク指数がダントツに高くなっている(2番目に高いサンフランシスコ:167に対し、東京・横浜:710)。

「私の感覚で言えば、首都直下地震の被害額95.3兆円は、少なく見積もってのことです。100兆円、もしくは200兆円が一発で吹き飛ぶような場所に人が集まるリスクは非常に高い。その点でも東京一極集中はコントロールすべきです」(増田氏)。

出典:総務省「住民基本台帳人口移動調査」(日本人移動者)
注:上記の地域区分は以下の通り。東京圏:埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県。名古屋圏:岐阜県・愛知県・三重県。大阪圏:京都府・大阪府・兵庫県・奈良県。(画像クリックで拡大)

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