5年目を迎えたChallenge IoT Award 有望なアイデアを育成

各地の学生・企業からビジネスプランを募るコンテストの全国大会が東京で実施された。それぞれの地域の大会で高く評価されたプランの中から、さらに優れたものを選ぶ。個人や、設立間もない企業、地域の中堅企業がそれぞれ、厳しい競争を勝ち抜き受賞した。

キャンパス部門には多くの大学・専門学校生が応募。課題解決のアイデアを披露した

Challenge IoT Award 2018 ビジネスモデル発見&発表会2018全国大会が、2019年3月14日、15日に開催された。主催・共催は、テレコムサービス協会、ICTビジネス研究会、日欧産業協力センター。

この賞では、企業や大学などから、地域や世の中を進化させ、課題を解決し、豊かな生活を具現化する「産業・技術・産業・商品・サービス」の「ビジネスの素材/プラン/モデル」を募集している。ビジネスの新規性、市場性、成長性は全ての応募案において、他の要素は個々の賞に合わせて審査する。例えば、地方創生賞では、地域に雇用を作るかや、地域が収入を得られるかなどを評価している。優れたプランには、商品化、資金支援、販路拡大などの事業・起業を応援・支援する仕組みが提供される。

全国からのビジネスプランを審査

全国大会では、約300の応募者が参加した各地の地方大会を勝ち抜いたチームが、それぞれのビジネスプランを披露した。専門学校生・大学生などを対象としたキャンパス部門は、全国から18チームがプレゼン。各地の企業が応募したビジネス部門では15チームがプレゼンテーションを実施した。社会起業家・地方創生部門は3チーム、研究者部門は2人が発表した。

プレゼンの後、審査委員会が開催され、18の賞の受賞者がその場で検討された。審査委員長を務めたMM総研代表取締役社長の中島洋は、「かんかんがくがくの議論になりました。5年前の第1回から審査委員長をしていますが、毎年のレベルアップが素晴らしい。ぜひこれらのプランを磨いて、大きなビジネスにしてほしいと思います」と総評した。

ビジネス大賞テレコムサービス協会会長賞は、「乾電池型IoT『MaBeee』通信ができる電池でコンセントのない世界を」をプレゼンしたノバルスの山中亨氏に授与された。MaBeeeは、電池の出力を制御し、スマホアプリで操作するデバイスで、単3乾電池で動くおもちゃやライトを簡単にIoT化できる。既に市販も始まっている製品だ。ノバルスでは、一人暮らしの高齢者の見守りなどの用途でも開発を進めている。

東京の神田明神ホールで、企業からの賞を含め18の賞が受賞者に授与された。ビジネス大賞はノバルスが受賞

交換不要のペースメーカー

キャンパス賞総務大臣賞は、「交換手術不要の永久ペースメーカーの開発・販売」を提案した九州大学WPSの今福正雲氏が獲得した。現在利用されているペースメーカーは電池をエネルギー源としている。数年に一度、電池の寿命が来る前に、機器そのものを交換する手術を行わなければならない。手術は患者の体への負担が大きいため、九州大学が保有するワイヤレス給電技術を用いた新規ペースメーカーのビジネスプランを発表した。

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