2018年12月号
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フィンテックの興亡

スマホアプリで保険を提供 「若者にも身近な保険」で市場を広げる

畑加 寿也(justInCase CEO)

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アクチュアリー(保険数理人)が起業した、日本では数少ないインシュアテック・スタートアップ。スマホで簡単に入れ、iPhoneや家電製品の故障に修理費用を補償する、ミニ保険を提供する。大切に使えば保険料が下がるしくみを取り入れ、若者に親しみやすい保険の体験を提供していく。

畑 加寿也(justInCase CEO)

保険に関するフィンテックはインシュアテックと呼ばれ、海外では注目の投資分野になっている。日本の数少ないインシュアテック・スタートアップとして注目されているのが、justInCase(東京都中央区)だ。同社CEOの畑加寿也氏が、2016年12月に設立した。現在、3つのサービスを提供し、2018年6月にはベンチャーキャピタルから約1億5000万円の資金を調達している。

保険料をAIで算定

justInCaseは、iPhone経由で申し込む少額短期保険を提供している。少額短期保険とは、2006年に提供が始まった保険の中では新しい種類の商品で、「ミニ保険」とも呼ばれている。安い掛け金で、様々な対象についての少額・短期の保険の引き受けのみを行い、国内の市場規模は800億円ほどと推計されている。同社の特徴は、ICT技術を使ってコストを抑制し、より安い保険料で補償が受けられるようにしたことだ。

justInCaseの現在のサービスラインナップは、スマホ保険と1日モノ保険、少額短期保険のAPIだ。スマホ保険は、iPhoneの画面の破損や、水没などの修理費用を補償する保険。保険料はiPhoneの機種によって異なる。例えば、最も保険料が高い最新機種、iPhoneXS Maxの場合、毎月1070円の保険料で、破損時には14万1800円までの修理費用を受け取ることができる。携帯キャリア各社やアップルが提示しているiPhone向けの保険は、新規購入時のオプションとして提供されているため、justInCaseの保険は、中古のiPhoneを購入した人や、格安SIMに移行する人でも利用できる保険と言える。

保険の加入申し込みはiPhone上で完結し、3カ月の保険期間で保険を使わなければ、次の3カ月では約30%の割引を受けることが出来る。iPhoneの内蔵センサから取得できるデータをもとに、持ち主の取扱の仕方を人工知能でスコア化し、安全に使うほど、割引率が高くなる仕組みを導入した。このスコアを友達と比較する機能もアプリには付いている。この機能は、保険の不正請求を防ぐためのしくみの1つであるとともに、未来のピアツーピア保険を実現する第一歩にもなっている。

2つ目の「モノ保険」は、スマホ保険の利用者が使える付帯保険で、近日中にサービスを開始する予定。スマホ以外のものについて、1日単位で修理費用を補償する。対象となるのは、カメラ・ビデオカメラや楽器、釣り竿、ゲームなどjustInCaseで指定した品目。1日から、最長1カ月間をカバーするもので、アプリでの申し込みの際には対象物の動画を撮影してアップロードする必要がある。対象品目はリクエストに応じて検討、拡大していく計画だ。

また、2018年9月に提供を開始した保険APIは、連携した企業ウェブサイトから、簡単に保険加入ができるシステムを提供するものだ。これまでは、ある企業のウェブサイトでサービスや物品を購入した後、保険会社のウェブサイトでゼロから情報を記入しなおす手間があった。APIではこの手間をなくし、関連する保険を契約できるようにした。

justInCaseのアプリ画面。加入前のiPhoneの状態証明には、鏡でスマホの写真を撮影して送信する。安全スコアが高ければ更新時の保険料は割引される

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