名古屋発のユニコーン企業 革新性で世界のスターを魅了

クリスティアーノ・ロナウド選手と共同開発したトレーニング機器『SIXPAD』が、シリーズ累計販売台数100万台を突破。なぜMTGは、革新的なブランドを次々と生み出せるのか。MTGの強みと新規事業創出の戦略、これからの展望に迫る。

MTGを代表するブランドの1つ、『ReFa』シリーズの美容機器累計出荷数は1000万本を突破した(2009年2月~2018年7月末実績)

松下 剛(MTG 代表取締役社長)

2018年7月、美容・健康機器を手掛けるブランド開発カンパニー、MTG(本社・名古屋市)が東証マザーズに上場し、時価総額は一時2800億円に達するなど大型上場となった。

名古屋発のユニコーン(企業価値10億ドル以上のスタートアップ)にまで成長を遂げたMTGの設立は1996年。創業者である松下剛社長は長崎県出身であり、デンソーを経て23歳の時に愛知県で起業した。

「私は小学5年生の時に起業を志し、『日本一の企業はどこか?』と担任の先生に尋ねたら、答えはトヨタ自動車。それを聞いた時から、愛知県で勝負をすることを決めていたのです」

ロナウド選手と共同で商品開発

MTGを代表するブランドの1つが、2009年に誕生した『ReFa(リファ)』。2018年7月末までに1000万本(『ReFa』シリーズ美容機器累計出荷数、2009年2月~2018年7月末実績)を超すヒットブランドとなっている。

そして、MTGの知名度を飛躍的に高め、急成長の原動力となったのが、サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手と共同開発したトレーニング機器『SIXPAD(シックスパッド)』(2015年に発売)や、アーティストのマドンナ氏と共同開発した高級化粧品ブランド『MDNA SKIN(エムディーエヌエースキン)』(2014年に発売)だ。

当時、売上高100億円規模だったベンチャーが、世界的なスーパースターに協力を依頼する。しかも、共同開発を実現に至らせる。他の企業ならば、そもそも挑戦しないような戦略に思えるが、松下社長によると、成功のカギは「革新性」にあるという。

「私たちは、ブランド展開にあたり『革新性』を重要視しています。ロナウド選手やマドンナ氏は、MTGブランドを共同開発するパートナーとして貢献していただいていますが、彼ら彼女らが賛同してくれた理由の一つが、この革新性にあります。持っているだけで心が躍る、使ってみたくなる、人に勧めたくなるなど、MTGの各ブランドは革新性に溢れています。革新性はMTGのブランド開発において大切な判断基準となり、ここを満たせず社内淘汰される商品も数多くあります」

『SIXPAD』は、腹筋を鍛えるアブズベルトを代表とする独自のEMS理論から誕生したトレーニングギア。アプリとも連携し、筋トレを可視化して「続けられる仕組み」を提供する

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