2018年9月号
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ローカルベンチャー

福井の100年企業 「混ぜる」経営で多角化、売上5倍に

前田 尚宏(前田工繊 取締役COO)

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今年創立100周年を迎える福井の老舗企業、前田工繊。もともと繊維を扱う会社だったが、事業の多角化に舵を切り、自動車ホイールや農業など異業種にも参入し、売り上げを伸ばしている。同社が掲げる「混ぜる」経営とは何か、次期社長の前田尚宏氏に話を聞いた。

前田 尚宏(前田工繊 取締役COO)

―――御社は積極的なM&Aで果敢に異業種に参入しています。その姿勢は、今年100周年を迎える地方の老舗企業には見えません。

前田 弊社の歴史を振り返ると、もともと繊維加工の会社でしたが、3代目の現社長、私の父の時代に繊維産業の衰退が始まり、1972年、繊維の技術を活かしたジオシンセティクス技術(土木分野向け繊維技術)で土木事業に参入しました。その後、土木事業で売り上げを伸ばして、私が入社した2002年には70億の売り上げのうち9割が公共事業、なかでも道路事業が6、7割を占めていました。ところが同じ頃、公共事業の削減が始まり、危機感から多角化に舵を切りました。

何を「混ぜる」のか

―――やむを得ずの多角化だったのですね。

前田 はい。結果的にそれが功を奏しました。まず、02年に港湾・河川汚濁防止用フェンスの製造などを手掛ける西宮の太田工業から「事業承継が難しい」と相談を受けて子会社化したのですが、全国に拠点のある弊社の営業網を使って太田工業の商品の営業をかけたところ、とてもよく売れたんですよ。

04年には大手化学メーカー・日本ゼオンから一部事業の営業譲渡を受けたのですが、大企業なので優秀な人材が多かった。当時は上場前で人材の確保には苦労していたので、弊社にとって大きなプラスになりました。

この二件のM&Aによって、地方の中小メーカーが作った商品が全国で売れるということを実感し、優秀な人材の確保にも有効ということでM&Aのポテンシャルを感じたんですよ。それから2010年ぐらいまでは、土木事業に関連する地方の中小メーカーを中心にM&Aを重ねて、いつしか「土木資材のデパート」と呼ばれるまでになりました。

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