まちに住み続けたいと思う心・シビックプライド その構造を探る

政策のキーワードとして「シビックプライド」を掲げる自治体が増えている。どのような活動が、地域への共感・愛着・誇りにつながるのか。それはどんな影響をもたらすのか。客観的に把握する方法が垣間見えてきた。

シビックプライドを構成する要素

(出典)「シビックプライド」(宣伝会議2008)

 

「シビックプライド」(CP)とは、「まちに対する住民の誇り」のことで、日本が本格的な人口減少時代に入った今、自治体はCPとともに住民の地域への関与を高め、その地域ならではの豊かさを実現、定住の対象として選ばれるまちになることを目指している。

読売広告社では、CP醸成を考える自治体の様々なプロジェクトをサポートしてきた。

周辺に知名度・個性にまさる自治体がある平塚市では、「選ばれるまち、住み続けたいまち」となることを目指すプロモーションを実施。インスタグラムを活用、思わず撮影したくなるフォトスポットをつくるとともに、まちの魅力的な場所・風景を市民参加で再発見するキャンペーンをおこなった。

南島原市では、地域を体験する装置として、廃校を活用し「南島原食堂」を開設。名産品であるそうめんでSNSにアップしたくなるメニューを開発、観光スポット化することに成功した。南島原食堂は地元の住民が運営し、情報発信の拠点になっている。

読売広告社 ひとまちみらい研究センター
上野昭彦 プロデューサー(左)、水本宏毅プロデューサー(右)

CPの効果を明らかにする

CP醸成のプロジェクトを実施する一方で、同社が進めているのがCPの構造・評価方法の明確化だ。CPの概念を取り入れたシティプロモーションを実施したり、総合戦略書にCPを謳う自治体が増えているが、CPの構造や政策・施策との関係についてはまだ解き明かされていない部分も多い。

読売広告社は首都圏50km圏内の自治体についてCPの調査を行い、「愛着」「誇り」「共感」などの評価指標別ランキングを2016年10月に発表した。「共感」で戸田市(埼玉県)が1位になるなど、興味深い調査結果は各所の関心を呼んだ。

2018年1月には、その戸田市と協定を締結した。CPで結果を出している戸田市をフィールドとし、CPの効果やCPの醸成に役立つ活動などを共同で研究する。研究にあたっては、関東学院大学法学部地域創生学科・牧瀬稔准教授にアドバイザーとして参加してもらう。

自治体マーケティング広報フォーラムでは、戸田市との共同研究の内容や、3月に実施した最新CP調査結果、その結果から導かれた知見について発表する予定だ。

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ひとまちみらい研究センター
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