三浦半島、都心から1時間でなぜ衰退? 再生のカギは起業人材
都心からの交通アクセスに優れているにも関わらず、人口減少が止まらない三浦半島。地域再生を目指す行政や地元企業は、新発想のまちづくりや、スタートアップと連携した事業創出に取り組んでいる。三浦半島再生のカギはどこにあるのか。
人口減少に苦しむ三浦半島
東京都心から電車でわずか1時間と利便性の高い横須賀市。この市が今、厳しい人口減少に直面している。2013年の総務省「住民基本台帳人口移動報告」では、横須賀市の転出超過が全国ワースト1位を記録。その後も2015年に全国2位、2016年も8位の転出超過となり、本年2月には市の人口が41年ぶりに40万人を下回った。
三浦半島南端、水産業のまちとして知られる三浦市も状況は同じだ。日本創成会議・人口減少問題検討分科会は、神奈川県の1市7町1村を「消滅可能性都市」と推計しているが、唯一の市が三浦市である。2018年3月の人口は4万3,561人。ピーク時の1994年から1万人以上減っており、2030年には約3万8,000人、高齢化率は42%まで高まる見通しだ。2016年には京浜急行電鉄が久里浜線・三崎口駅以南への延伸の凍結を発表した。
三浦半島の人口減少には様々な要因がある。最大の理由は、基幹産業の衰退と雇用の減少だろう。2000年台初頭から日産自動車や関東自動車工業、住友重機械工業などの工場撤退が相次ぎ、かつては携帯電話の一大研究開発拠点として栄えた「横須賀リサーチパーク(YRP)」でもスマートフォンの台頭とともに大企業の撤退・規模縮小が進んでいる。また、より都心に近い川崎市・横浜市で宅地造成やマンション開発が加速していることも逆風になっている。
行政・民間の創意工夫
こうした状況を打破するため、行政や民間が動き出した。
横須賀市は、新任の上地克明市長のもと、横須賀再興に向けた4年間のロードマップ「横須賀再興プラン」を本年2月に策定。「海洋都市」「音楽・スポーツ・エンターテイメント都市」「個性ある地域コミュニティのある都市」という3つの方向性を打ち出した。
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