Venture Awards 2018、経産大臣賞はミライロ 障害を価値に

2018年のJapan Venture Awards受賞者が発表された。経済産業大臣賞は、ユニバーサルデザインのコンサルを行うミライロが受賞。中小企業庁長官賞はものづくりベンチャーが獲得した。

経済産業大臣賞を受賞したミライロの垣内社長

中小企業基盤整備機構が主催する起業家表彰である「Japan Venture Awards 2018」(略称:JVA2018)の表彰式が、2018年2月5日に虎ノ門ヒルズにて行われた。JVA2018は、新事業創出や市場開拓に挑む、優れたベンチャー企業の経営者を発掘し、ロールモデルとして社会に知ってもらうことを目的としている。おおむね創業から15年以内の企業の経営者が対象となり、これまでに250名以上が受賞した伝統ある賞だ。中小機構としては、JVA表彰を、次世代を支える新事業や経営者の育成につなげたい考えだ。

バリアフリー実現を目指す

JVA2018の経済産業大臣賞には、ユニバーサルデザインの企画・設計や、教育研修などを手掛けるミライロ(大阪市)の垣内俊哉社長が選ばれた。授賞の理由について、中小機構は、「バリアフリーに新たな商機を見出し、 高齢者や子育て世代までも含めた市場を開拓したこと、障害を社会やビジネスの価値に変えていこうとする企業理念を打ち出し、魅力あるビジネスに発展させた情熱と使命感が高く評価された」と説明している。

中小企業庁長官賞は、産業用ロボット制御メーカー・MUJIN(東京都墨田区)の滝野一征CEO兼共同創業者と、半導体設計・生産メーカー・コネクテックジャパン(新潟県妙高市)の平田勝則代表取締役CEOが受賞した。滝野氏は、メーカーを選ばずに接続でき、操作性を統一したロボットコントローラーを世界で初めて開発した点が、平田氏は、半導体製造工程を極小化・低コスト化する技術開発に成功した点が評価された。

この他、中小機構理事長賞をツーセル(広島市)の辻紘一郎社長、光コム(東京都千代田区)の福沢博志社長が受賞した。JVA審査委員会特別賞4名、ベンチャーキャピタリスト奨励賞2名も併せて表彰された。

マッチングラウンジにて事業構想大学院大学が選んだ月刊事業構想賞は、Liquid(東京都千代田区)とminitts(京都市)が受賞した。Liquidは、画像解析技術に強みを持ち、それを利用して指紋認証を用いた入退出管理システムや、生体認証による決済システムなどを開発している企業。今回は、JVA審査委員長賞も受賞した。

minittsは、一日100人限定でステーキ丼や肉寿司、すき焼きを提供することで、廃棄ロスなどを徹底的に減らし、効率的なレストラン運営を行う企業だ。有給休暇の完全消化を掲げるなど、仕事と家庭生活のバランスに配慮した経営方針から、ワークライフバランス推進特別賞を受賞している。

 

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