2016年1月、薬剤師が薬の無料宅配を行うサービスを開始したミナカラ。同社は、薬局に勤務経験のある起業家が立ち上げたベンチャー企業だ。現場を知る強みを活かし、薬に関する「困った」を解決するサービスを生み出している。
病気やけがで薬が処方されると、薬局で薬剤師から説明を受ける。しかし、後日、他の薬との飲み合わせや副作用などについて知りたいときに、どうするか。あるいは、市販の薬が自分の症状に適したものか、知りたいときにどうするか。
薬剤師に尋ねる人よりも、インターネットで検索して情報を求める人が多いだろう。
ネット上には、各製薬会社による薬の情報のほか、Q&Aサイトや掲示板などでユーザーの口コミが公開されているので、「情報がない」ということはない。
しかし、専門家が書いた薬の情報を読んでもわかりづらいし、ネット上の口コミには信頼性に不安がある。
一方で、薬剤師は、薬の情報をわかりやすく具体的に伝えるスキルを持っているが、薬局に行かないと、それを聞くことはできない。それならネット上で薬剤師のアドバイスを受けられれば、利便性と信頼性を両立できる。薬剤師に相談しながら薬を入手できるウェブサービスを立ち上げたのが、ミナカラ代表・喜納信也氏だ。

喜納 信也(ミナカラ 代表取締役 薬剤師・経営責任者)
薬剤師という「未活用の資源」
ミナカラのオフィスには薬局がある。実際に稼働している薬局を持つベンチャーは、日本でも珍しいだろう。
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