パナソニックの社内ベンチャーが独立 環境技術で新市場に活路
パナソニックの社内ベンチャーとして始まった会社が、省エネ型の冷凍車の開発などで実績を残し、MBOで独立。環境県・滋賀から、世界への展開を目指す。
取材協力:リンカーズ

スマックは、モーターの省エネ駆動制御を中心に、パワーエレクトロニクス技術で製品開発の支援サービスを行う
オフィスの眼下には琵琶湖がひろがり、パンフレットの「『できない!』を『できる!』に変換する会社」の文字がひときわ目につく。スマックは、大学でエネルギーを研究し、パナソニックで20数年間エアコン等の省エネ技術に携わっていた河原定夫社長が、2003年に起業したベンチャーだ。
スマックは、モーターの省エネ駆動制御を中心としたパワーエレクトロニクス技術を有する。2015年1月に近畿経済産業局「関西ものづくり新撰2015」に選定、同年3月には、滋賀県産業支援プラザ事業可能性評価委員会による「めきき・しが」のAランクに評価されるなど、今後の展開が期待されている。
採算が厳しく、難しかった技術
河原社長はパナソニック時代、「アイドリングストップしても大丈夫な冷凍車の開発ができないか」との相談を社外から受けた。
それまでの冷凍車は、エンジンを停止するとコンプレッサーも止まり庫内温度が上昇してしまうため、アイドリングストップができず、排気ガスによる大気汚染につながっていた。その解決は、技術的には可能だったが、量が見込めないために採算ベースに乗せるのは厳しく、断らざるをえなかった。
しかし、河原社長の中では、「ニッチ市場であっても、求められる製品をつくっていかなければ、真の環境配慮社会は生まれない」という思いがあった。ちょうどその頃に創設されたのが、社内ベンチャーの支援制度『パナソニック・スピン・アップ・ファンド』だ。
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