障がいを持つ人にも乗馬の楽しみを ホースセラピーで観光起業

蹄跡の森・清武ホースパークは馬とふれあい心を癒やす「ホースセラピー」を展開。あらゆる人に乗馬を楽しんでもらいたいという「想い」を形にするため、多くの苦難を乗り越え、地域に新しい観光資源を生み出した。

馬を通じて人の心や身体を癒やすホースセラピー。今では週に100人以上の予約が入る

消費者志向が多彩になり、観光の目的も多様化する中、有名な観光地見学や宿泊施設だけではなく旅先での特別な体験に注目が集まってきた。地域にもともとある観光資源と、それを活かす人との相乗効果により、「そこでしかできない、ならではの魅力」を訴求することで広がる商機があるのではないだろうか。

きっかけは障がい者の言葉 全ての人に乗馬の喜びを

宮崎県は日照時間が全国で2番目に長く、晴天率も高いことから「南国情緒」を打ち出した観光振興を行ってきた。温暖な気候に加え、太平洋に面して400kmもの海岸線が続く地形が魅力となり、1960年代には新婚旅行先のリゾート地として人気を博した。近年ではサーフィンによる観光振興が成功し、全国からサーファーが集まる。

一方、降水量も全国トップクラスの宮崎では、日照時間の長さと降水量の多さが緑を育み、豊かな山も形成している。

そんな宮崎の山の魅力に着目し、宮崎空港からほど近い清武町でホースセラピーを主催する、蹄跡の森・清武ホースパーク代表の新盛定氏に話を聞いた。

新盛 定 蹄跡の森・清武ホースパーク代表

--宮崎でホースセラピーを始めたきっかけを教えてください

新盛 以前から地元である宮崎の魅力を広く伝えたいという強い想いがあり、その方法を模索してきました。そうした中、馬を通じて人の心や身体を癒やすホースセラピーという考え方に出会ったのです。

きっかけは、馬好きが講じて大阪の乗馬クラブで働き始めたことでした。ある日、車椅子に乗った方々が乗馬クラブを訪れ、馬を眺めながら「いつか乗ってみたい」と言うのを耳にしたのです。しかし当時の日本には、障がいを抱えた人が馬に乗るという前例はありませんでした。

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