フグの本場「下関」 伝統の技が広げるマーケット

日本一のフグの取扱量を誇り、新鮮なフグ料理を味わえる観光地としても有名な下関。近年、全国各地でフグのブランド化が進められる中で、下関は「本場」の強みを活かし、市場の拡大を目指している。

下関市内には、数万円のコースから手軽なワンコインメニューまで、たくさんのフグ料理店がある

下関と言えば、フグ。下関が恵まれた漁場の近くに位置することに加え、天然・養殖にかかわらず、地元・山口県をはじめ、九州、四国、静岡、愛知、三重など全国からフグが集められる。全国のフグの80%が下関の南風泊市場で水揚げされ、その取扱量はもちろん日本一だ。

もともと、フグ食は豊臣秀吉の治世から禁止されていた。その後、伊藤博文が下関を訪れた際、出されたフグ料理に感銘を受けて、山口県下でのフグ食の解禁を働きかけたのが、フグ食の始まりだという。そういった歴史も、下関がフグの街として有名になった背景にある。

そして、大消費地である東京・大阪等の首都圏のマーケットを開拓し、現在の地位を築いてきた。協同組合下関ふく連盟の理事を務め、南風泊市場を運営する卸売会社・下関唐戸魚市場の社長、原田光朗氏はこう語る。

原田光朗 下関唐戸魚市場 代表取締役社長

「先達の仲卸の方たちは相当な苦労をされて、取引先の開拓に奔走したそうです」

セリでフグを購入し、料理店などに販売する仲卸の努力が、マーケットの拡大を支えたのである。

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