外国人が殺到する秘境 地獄谷野猿公苑

長野県北部に多くの外国人観光客が殺到する観光施設がある。その名も地獄谷野猿公苑。露天風呂に入るなどユニークなニホンザルの姿を観察できる当スポットは、どのように外国人誘客を成功させたのだろうか。

雪が降る中、湯に入ることで寒さをしのぐという地獄谷野猿公苑のニホンザル

カメラを構えた観光客の目の前で仲間たちと毛づくろいをし、寒くなれば露天風呂に身体を浸して恍惚の表情を浮かべる。そんな愛くるしい野生のニホンザルを観察できるスポットとして人気を集めているのが、長野県北部・志賀高原を源とする横湯川の渓谷に位置している、地獄谷野猿公苑(山ノ内町)だ。

長野駅から1時間かけて電車とバスを乗り継ぎ、バス停から徒歩30分。お世辞にも交通の便が良いとは言えない場所だが、外国人観光客が多く訪れる場所とも知られ、時期によってはその比率が50%を越えることもあるという。

ニホンザルは「スノーモンキー」と呼ばれ欧米諸国で人気がある。特に冬場、露天風呂に入る地獄谷のサルは海外メディアでも頻繁に報じられ、近年はアジアからの観光客も増加、世界的な知名度を獲得しつつある。

野生のニホンザル生体を間近に観察できる。サルに触れることは禁じられている

駆除か、共存か

地獄谷野猿公苑が開苑されたのは1964年のことだ。開苑からさかのぼること2年前、林檎畑などの農作物を荒らす野生のニホンザルに手を焼いていた町民たちは、害獣として駆除するかそれとも共存していくかで議論となった。

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