VCは「選ぶ」ではなく「巡り合う」

起業家は、ベンチャーキャピタルとどのように付き合うべきか。日本では「人」的な側面が強く、信頼関係を築くことで正のスパイラルが生まれ、人脈が広がれば資金も集まり、資金が調達できれば人脈も広がる。

ベンチャーがIPO、M&Aに向かうまでの成長過程を考えると、事業の成長に応じた「エクイティ・ギャップ(資本金のギャップ)」を埋めるために、ベンチャーキャピタル(VC)はとても重要です。

ベンチャーの資金調達は、まず「3F」と呼ばれる方法から始まります。3Fとは、ファウンダー(自分)、ファミリー(家族)、フレンド(友人)です。起業家は多くの場合、そうした身近な人から資金を集めて事業を立ち上げます。

そして、ある程度ビジネスの芽が出てくると、ビジネスエンジェル(個人投資家)から小額の資金提供を受けるようになり、ビジネスがもう一段進んでIPOやM&Aが視野に入り始めると今度はVCの投資を必要とします。こうした流れで資金調達手段が整備されているのが理想で、成長段階に応じたスピード感の戦略を実現するためにVCはあるわけです。

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人的ネットワークが重要に

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東出浩教(ひがしで・ひろのり)
早稲田大学ビジネススクール(商学研究科)教授

では起業家は、どのようにVCを選べばいいのでしょうか。たとえば、日本ベンチャーキャピタル協会から会員リストを入手し、自社の目指す方向に近いVCを選ぶことなどが考えられます。ただ、実際は人脈をつくってVCを紹介してもらうケースが多くなっています。諸外国では、飛び込みでVCとの関係を築き、投資を受けることもありますが、日本ではまだ少ないと思います。

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