本気の「志」は部門を超える
世界に約40億人いる、年間所得が3000ドル以下の約40億人の層。この広大なマーケットを対象にした「BOPビジネス」に、リコーのプロジェクトチームが挑んでいる。
プリンターやコピー機の開発・販売を手がけるリコー。売上げ2兆円、世界約200ヵ国で事業を展開するこのグローバル企業に属しながら、本業とは全く畑違いに見えるスモールビジネスに挑んでいる人物がいる。同社の研究開発本部・未来技術総合研究センターの所長で、2008年からインドで「BOPプロジェクト」を手がける、瀬川秀樹氏だ。
瀬川氏はプロジェクトのメンバー、現地企業、地元住民とともに、インド北部ビハール州の貧困農村地帯で、写真の撮影&プリントショップ、女性用化粧品、下着、生理用品などを扱うウーマンズショップをオープンし、拡大させている。
社内で「仲間づくり」の下地
「BOP」とは、「Base of the Pyramid」の略で、「世界人口70億人のうち、年間所得が3000ドル以下の約40億人の層」を表す。瀬川氏はアメリカで勤務していた2000年頃に巨大な市場として「BOP」という言葉を知り、以来、ずっと気に留めていた。
転機が訪れたのは07年。プリンターやコピー機に関わる部署で「新興国への進出」が話題になった時に、「BOP」で何かできないかと思い立ち、動き始めた。
とはいえ、当時は「BOP」という言葉もほぼ知られていない上に、瀬川氏はリコーの製品を現地で販売するのではなく、現地のニーズを汲み取り、ゼロから事業を開発しようと考えており、理解を得て仲間を集めるのに1年かかったという。
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