外国路面電車を支える「技術者魂」

高知市街地を中心に走り、景観づくりにも一役買う路面電車。全国の路面電車が廃れていく中で、土佐電鉄は創意工夫で成長を目指す。そのキーワードは「使命感」と「地域密着」だ。

土佐電鉄は、ドイツ、ポルトガル、ノルウェー、オーストリアなどから車両を購入。それらがつくり出す景観は、街の顔ともなっている

1904年(明治37年)、路面電車としては全国で10番目に営業を開始した「土佐電気鉄道」。同社を語るうえで欠かせないのが、3つの「日本一」だ。1つ目は、現存する路面電車として日本最古。開業からおよそ110年の歴史を誇る。2つ目は、営業キロ数。南北・東西合わせて25.3kmあり、日本一の長さとなっている。3つ目は、日本一短い停留所間があること。後免線の清和学園前停留所~一条橋停留所間はわずか63m。歩いてもすぐの距離だが、古くからの利用者のために今もそのままの形で運行されている。

鉄道の駅を中心に発展する町が多い中、高知市は路面電車の沿線から発展してきたと言われている。沿線に暮らす人々の足となり、市街地を象徴する景色も生み出した。まさに、市民にとって欠かせない存在なのだ。

高い技術力は高知の誇り

開業80周年の際に記念事業として行われたのが「外国電車の導入」だった。観光面でも力を発揮する路面電車をさらに魅力的なものにするために、ドイツ、ポルトガル、ノルウェー、オーストリアなど海外から電車を購入し、街中を走らせた。全国から人を呼ぶものとなったが、そこに至るまでには苦労があったと聞いていると電車部・恒石圭二氏は話す。

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