知られざる魅力 情報発信が課題

持続的な成長のためには、県外、海外からお金を稼ぐ産業の育成が欠かせない。観光振興も重要になり、「くまモン」ブームをいかに長続きさせるか、そしてその間に、熊本の歴史や文化、食などの認知度をいかに高められるかが問われる。

熊本県では、一昨年3月に九州新幹線が全線開業し、昨年4月には熊本市が政令指定都市へと移行した。また、九州新幹線全線開業のイメージキャラクタ-として登場した「くまモン」が、今や全国区だけにとどまらず海外でも活躍し始めており、数年前に比べると熊本県への注目度はかつてないほど大きくなっている。

そのような中、熊本県経済の現状を見ると、企業経営者の景況感は明るさを増しており、生活者の景気に対する見通しや支出意欲も高まってきている。

しかし一方では、円安やエネルギーコスト上昇などが企業や生活者を直撃しており、先行きに対する不透明感も見受けられるところである。

全国中位の「1%経済」

熊本県の主な指標をみていくと、全国の1%強を占め(1%経済とも言われている)、47都道府県の中でもほぼ真ん中くらいに位置している指標が多い。

例えば、県内総生産額は全国の1.1%を占め47都道府県中25位(10年度県民経済計算)に位置しているほか、総人口は1.4%で23位(10年国勢調査)、民営事業所数1.4%で24位(12年経済センサス)、小売業年間販売額が1.3%で23位(07年商業統計)などである。

経済活動別に熊本県の特徴をみると、農業とサービス業、政府サービス生産者の割合が全国に比べ高く、製造業や卸売小売業が低いことがあげられる(下図)。

農業は農業産出額が全国5位(11年生産農業所得統計)であり、トマトやスイカ、イ草などが全国一の生産量を誇っているほか、くりやメロンが2位など上位に位置している農産品も数多い。

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