稼げる農業へ、ブランド確立

自然資源の宝庫である熊本。近年は営業部長を任じられた「くまモン」のPR効果により、国内外で存在感を強めている。その熊本で進んでいるのが蒲島知事による「幸せ実感」への戦略であり、フードバレー構想、くまもとの赤のブランド確立などの野心的な構想だ。

─幸せ実感くまもと4カ年戦略を策定さました。産業施策としてとりわけ重要視している点は。

熊本県では、県政の基本方針である「幸せ実感くまもと4カ年戦略」において、「活力を創る」、「アジアとつながる」、「安心を実現する」、「百年の礎を築く」という4本の柱を設定しました。そして、その下に15の戦略を掲げ、幸せを実感できるくまもとの実現をめざし、様々な取り組みを進めています。

特に、産業施策としては、「戦略1ビッグチャンスを生かす」で「産業力の強化」を掲げ、研究開発部門等を中心とした企業誘致の強化に取り組んでいます。昨年度は厳しい経済情勢の中、6件の研究開発部門を含む30件の誘致に成功しました。

また、「戦略2 稼げる農林水産業への挑戦」では、「くまもとブランドの創造・確立」を掲げ、熊本が誇るトマトやすいか、あか牛などの県産品を、「くまもとの赤」ブランドとして登録し、全国に発信する取組みなどを推進しています。昨年度は加工品を募集して199商品が登録され、県民にも認知され始めてきたと感じています。

国に先んじて取組み推進

─農業国である熊本県は、現在そのポテンシャルを十分に活かせているでしょうか。

現在、わが国の農業は、農産物価格の低迷や生産コストの上昇、担い手の減少など経営の厳しさが増す中、市場のグローバル化への対応を迫られるなど、大きな岐路に立たされています。

しかし、熊本県では、多彩で魅力ある農産物や豊富な地下水、美しい農村風景などの恵まれた資源のポテンシャルを存分に発揮することで、この局面をプラスに転じていけるのではないかと考えています。

たとえば、私は、イエロープロジェクトなどによる耕作放棄地解消や農地の集積、木質バイオマスを活用したハウス加温施設の導入など、国に先んじる形で県独自の取り組みを推進してきました。また、集出荷施設の再編統合や生産基盤の整備により、生産性の向上とコスト縮減に取り組み、農業所得の最大化を図っています。

また、可能性に満ちた多様な農業を展開するため、6次産業化や新たな分野との連携、農業への企業参入支援などに取り組んでいます。

加えて、先程述べた「火の国熊本」にちなんだ「くまもとの赤」ブランドのイメージ戦略や、香港、シンガポールなど成長する東アジアのマーケットの開拓を進めています。

これらの取組みを通して、外的要因の変化にも耐えうる持続可能な力強い農業が実現できると考えています。

─フードバレー構想については、なぜ県南地域での展開を考えているのでしょうか。

本県の県央・県北地域では、昭和50年代から「テクノポリス構想」等の施策により、半導体関連産業等の生産・研究拠点の形成が進んでいますが、県南地域にはその効果が充分に波及しておらず、地域経済は厳しい状況にあります。

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