東大阪 職人魂をブランド化

歯ブラシから人工衛星までをつくり出す東大阪市は、国内のみならず世界の工業製品を支えている。江戸時代から続く『モノづくり』の強みについて、野田義和市長に話を聞いた。

東大阪市は文字どおり大阪市の東に位置する中核市だ。人口約50万人が暮らすこのまちは、古くから『モノづくりのまち』として知られている。また、独自のブランドを確立し「何かがある」、「何でもある」場所として国内外から注目を集めている。

町工場の集積が「ブランド」に

東大阪市のモノづくりの歴史は1700年代に遡り、かつては木綿業・伸線業・鋳物業が盛んであった。これが高度経済成長期に工業都市へと発展し、今では6000余りのモノづくりの中小企業が事業を営んでいる。

野田 義和 東大阪市長

現在、この東大阪市で生み出されるのは歯ブラシから人工衛星と、何でもできる「モノづくりのまち」として全国的にも有名であり、最近では東京スカイツリーなどの主要部品にも採用されている。

全国的にも有名なこの『モノづくりのまち』について、野田市長は「東大阪市は『小さな町工場』の集まりです。テレビCMに流れているような大企業はほとんどありません」と語る。

野田市長の言葉どおり、東大阪市にある6000軒を超えるモノづくりの中小企業の約9割が従業員数20人未満の小さな『町工場』だ。では、なぜこの小さな町工場からこれだけのものがつくり出されるのか。

「東大阪市には大企業やその子会社、系列工場は少ししかありません。でも、一つひとつの工場がさまざまな企業に部品を提供しています。そのため、町工場にはそれぞれの企業が望むものを汲み取る力や、より良いもの・より支持されるものを生み出す力が求められます」

工夫や創造力、そして技術を常に磨くこと、それが大きな力となっているのだ。

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