埋もれている景観を観光資源へ

大自然に目が行きがちな新潟県。その中心都市新潟市は、本州日本海側最大の港町でもある。昔の面影を残す都市文化のアピール、観光地としての整備がこれからは求められる。

豪農の館伊藤家。北方文化博物館として開かれている(photo by 岡崎篤行、他同じ)

北前船で栄えた新潟港をはじめ、国際空港、新幹線、高速道路と多様かつ整備された交通機関を保持している新潟県。来県する人の目的は多様なところだが、観光目的で訪れた際に重要となる「景観の財産」と言えばどのようなものが挙げられるだろうか。新潟大学都市計画研究室の岡崎篤行教授に、新潟が持つ景観の魅力についてお話を伺った。

「県の中心である新潟市を景観という部分に焦点を当てて見てみますと、街を流れる信濃川の存在は欠かせません。距離が長く河川幅の広い信濃川によって、開放的な景観を形作っています。新潟港は東港と西港に分けられますが、昔からある西港は信濃川の河口両岸に作られています。これは日本海側の海岸は季節風が強く砂丘ができるため、海側に港を作れなかった昔の名残りです。河口に大型フェリーが乗り入れる風景は独特のものです」。

2005年に近隣13市町村との合併により新潟市は人口80万人の本州日本海側最大の都市となったが、それ以前にも人口は約50万人以上を数えていた。

50万人クラスの大都市で本格的な戦災を受けていないのは、おそらく全国でも京都、金沢、そして新潟だけである。京都・石川の両府県と同じように、新潟県内にもところどころに古く趣ある町並みが残っている。

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