未来の「健康」をビジネスチャンスに

新潟県が推進する健康ビジネス連邦構想は産・官・学・医が連携する取り組み。その中で牽引役を期待されているのがブルボン。吉田康社長に話を聞いた。

吉田康社長。健康ビジネス協議会も中心的な役割を果たし、同協議会の会長を務める

亀田製菓を筆頭とした米菓、一正蒲鉾ほかの練り物、佐藤食品や越後製菓ら包装餅など、新潟県は食品製造業に関して一定の企業集積が存在するが、その中でもブルボンは売上高1000億円を超え、規模・存在感ともに飛び抜けた企業。

県の施策を受けて09年に設立された新潟県健康ビジネス協議会(2012年に一般社団法人化し「健康ビジネス協議会」)でも中心的な役割を果たし、吉田氏は同協議会の会長を務めている。

「日本はこれから人口減少が進み、世界にとって価値のある市場ではなくなっていく。しかし健康問題はこれから成長していく国にとって必ず通る道。健康産業における優位性が、日本の価値を保つ道です」と吉田氏は健康ビジネスの意義を語る。

優位性は必ずしも高くはない

県は同構想について、あらゆる産業分野からの取り組みが可能であり、しかもそれぞれの分野において新潟県が「潜在的な強みを有」するとしているが、吉田氏は県域の広さと多様性に起因する集積の薄さ、繋がりの希薄さを改善し意識改革を図るための施策であると解釈している。従って今はまだ存在しないものを含めて立ち上げてゆく必要があり、自身の役割を「種まき、プラットホームづくり」と自認。「健康の意味は時代と共に変わってきたし、これからも変わる。健康について真剣に考えていけば、道は必ずある」と語る。

「柏崎を食品だけの城下町にしたいとは、少しも思わない。多様性が大事」(吉田社長)

昨年一般社団法人となった健康ビジネス協議会は、会員117社(5月現在)。

会員企業は業種も規模も多様で、食部会、サービス・交流部会、ものづくり部会に分かれ、部会がそれぞれに得意分野を持つ会員企業の健康ビジネスの創出に向けた活動の場として機能することを目指している。

サービス・交流部会では加齢制御医学で知られる順天堂大学・白澤卓二教授をアドバイザーに招聘し、温泉旅館と食とを組み合わせたビジネスモデル(ヘルスツーリズム)を実施。ここで生まれた食やサービスの普及拡大を図っている。ものづくり部会ではサイバーダイン社からロボットスーツHALを借り受け、病院での試用を通じて周辺装備の開発も推進している。

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