茨城県に企業呼ぶ天然ガスパイプライン

茨城県・日立市に、陸上では世界最大級となるLNG基地が誕生する。さらに、基地から栃木県真岡までつなぐパイプラインを敷設する。エネルギー安定供給に不安を抱える今、この事業の持つ価値は大きい。

日立LNG基地の完成予定図

天然ガスへの注目度が高まっている。多くの原発の稼働が停止され、火力発電への依存が高まる中で、低炭素社会づくりという目標も含め、天然ガスや熱利用へのニーズが急速に強まったのだ。

また、東日本大震災で被災した仙台市内のLNG基地の代替供給に、新潟と仙台を結ぶ天然ガスパイプラインの活用が大きく貢献したことで、広域での天然ガスパイプラインの都市間連結や、LNG基地間連結などの天然ガス供給の国家全体のネットワーク形成の重要性の認知が進んだ。

東京湾内の3基地連携パイプラインを栃木まで

こうした中、東京ガスが、茨城県日立市の日立港区内に「日立LNG基地」を建設、基地と栃木県真岡市にある既存のパイプラインを接続する「茨城~栃木幹線」(茨城県日立市~栃木県真岡市)を2015年度までに敷設する計画(以下、「本計画」)を進めている。LNGタンクは23万klと地上式では世界最大級だ。

LNG基地の建設計画は、同社が09年に基幹インフラの積極的拡充策の一環として決定、公表。以降、地元・茨城県も動き、日立港区の港湾計画の変更、建設予定地の公募と購入など、着実に歩を進めてきた。2020年に向けた天然ガスの需要の増加に対応する製造・供給インフラの柱の一つとして、東京湾内の扇島・根岸(神奈川県)、袖ケ浦(千葉県)の3基地と連携することで、供給インフラ全体の安定性の向上を図るものと位置づけている。

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