サントリーが新価値創造部を新設 1000万ケース級ヒット商品を狙う
(※本記事は「食品新聞」に2026年5月6日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
サントリービバレッジ&フードは、飲料の新価値創造に本腰を入れる。
世界的な嗜好の変化のスピードが加速していることが背景。
昨年4月、目まぐるしい変化を複眼的に捉えて、従来の事業基盤では到達できない活動を迅速に推進する専門部署・新価値創造部を新設。
今春、新価値創造部が中心となって立案した方針に基づき、タイと日本でそれぞれ新商品が発売された。
ブランドやカテゴリの垣根を超えた新価値創造は、これまでにも「サントリー天然水」や「BOSS」ブランドで行われてきたが、今後は酒類事業やウエルネス事業を含めたサントリーグループの全ての視点や強みを活かした新価値創造に取り組む。
4月7日、発表会に登壇した大塚匠事業推進本部新価値創造部長は「変化をつぶさに捉えて、お客様にとって心地よいソリューションを提供していくことが新価値創造の本質」と語る。
生活者のベネフィットを起点とし、ブランドやカテゴリ、さらには缶やペットボトル(PET)のパッケージ飲料の枠組みを超えていくことを強く意識する。
「ブランドを担当すると、そのブランドが属するカテゴリの理解を深く極めることは基本中の基本だが、視野・視点を固定してしまう傾向にある。生活者は1つのカテゴリの飲料だけを飲んでいるわけではなく、1日の生活の中で食品・飲料の役割、ベネフィットを幅広く捉えていく必要がある」と指摘する。
米国での既存カテゴリを超えた他社の商品開発事例には、お酒を飲まない人のナイトクラブでのクールな水やマテ茶ベースのオーガニックエナジードリンク、健康的な炭酸飲料、フィットネスエナジードリンクを挙げる。
「海外に少し目を転じると、米国が非常に変化の先頭を切っている。メジャーカンパニーよりもスタートアップ企業が多数存在し、スピード感、そしてアジリティを持って市場成長にドライブをかけている」と紹介する。
既存の容器にも縛られない。
「例えば外食やご自身で作っていただくような飲料にまで視野・視点を広げて幅広く捉えていく」という。
このように生活者の1日のニーズを複眼的に捉えていくには、既存の組織では困難と判断し新価値創造部の立ち上げに至った。
「とにかく市場の変化がスピーディーになり、開発のレベルを一段と引き上げていかななければいけない。ただし、ブランド担当者が、自分のブランドが該当カテゴリで愛され続けていくということと、新しい機会を既存の枠組みを超えて見出していくという2つの仕事をするのは大変ということで、専門部隊が横串で入っていけるような組織体制にした」と説明する。
立ち上げの背景には、グループ内の調整の難しさもある。
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