SBI新生銀行、地域金融14行と成長投資で連携協定
株式会社SBI新生銀行(東京都中央区、コード番号8303、東証プライム市場、代表取締役社長の川島克哉氏)は2026年8月5日、株式会社足利銀行、株式会社山陰合同銀行、株式会社三十三銀行、株式会社常陽銀行、株式会社東京スター銀行、株式会社鳥取銀行をはじめとする地域金融機関14行との間で「地域成長投資連携協定」を締結したと発表した。ストラクチャードファイナンス領域における共同連携体制を構築し、地域金融機関が案件形成に主体的に関わる機会と収益機会の拡大を図るとともに、成長資金が地域で循環する仕組みづくりを目指す。協定に加わる金融機関は今後も増える見込みで、2026年8月末までにさらに10行程度が参加する見込みだ。
高まる高度金融の需要
企業の成長投資や事業承継、M&Aを含む買収ファイナンスへの需要は、地域企業や中堅企業の間でも高まりを見せている。こうした案件では資金供給だけでなく、スポンサーへの対応やストラクチャー設計、シンジケーションといった高度なアレンジメント機能が求められる場面が増えてきた。加えて、再生可能エネルギーや蓄電池、データセンター、物流網の高度化、不動産や都市開発、スタジアム・アリーナといった社会・産業インフラへの中長期的な資金需要も拡大している。今回の協定は、こうした環境の変化を踏まえ、地域金融機関が成長投資や産業インフラ分野へより主体的に関与できる広域連携モデルを構築するものだ。
Photo by yujie/ Adobe Stock
協定に基づく連携分野は大きく三つに分かれる。一つ目は企業成長・再編領域で、LBO(買収先企業の資産や将来の収益力を担保にした買収ファイナンス)やMBO(経営陣による自社株式の買収)、事業承継ファイナンス、カーブアウトファイナンス、事業再編または資本再編に関わるファイナンス、成長投資ファイナンス、ロールアップ戦略に関わるファイナンスなどが対象となる。二つ目はエネルギー・産業基盤領域で、再生可能エネルギー事業や蓄電池事業、電力供給基盤事業、データセンター事業、通信・デジタルインフラ事業向けの資金供給を想定している。三つ目はインフラ・アセット領域で、不動産アセットや物流施設、都市・地域開発、まちづくり関連プロジェクト、スタジアムやアリーナ、文化・スポーツ・集客施設などへのファイナンスを含む。
両者が担う役割の違い
SBI新生銀行は、スポンサーやファンド、事業会社とのリレーションに加え、国内外の投資家とのネットワーク、ストラクチャードファイナンスの組成機能、キャピタルマーケットおよびシンジケーション機能を生かし、案件の創出と組成を主導する。一方、協定行は地域に根差した顧客基盤や産業知見、信用判断力、資金供給力を強みとし、案件の特性に応じて共同アレンジャーやコ・アレンジャー、主要レンダーとして参画する。両者は案件の初期検討から条件設計、リスク分析、シンジケーション方針、クロージング対応まで協議を重ね、地域金融機関が地域の「メインバンク」として高度なファイナンス案件に主体的に関わることができる体制を整える。
LBOや大規模インフラ、不動産、物流、データセンター、エネルギー関連の案件は、高度なストラクチャリング機能やスポンサー対応が求められるため、地域金融機関が初期段階から関与する機会は従来限られていた。今回の協定を通じて、協定行は共同アレンジャーやコ・アレンジャーなど主体的な立場で案件形成に関わり、成長分野への投資機会の拡大や収益機会の多様化、高度なファイナンス人材・ノウハウの蓄積を目指す。SBI新生銀行と協定行は今後、対象領域における案件情報の共有、共同検討、案件形成に向けた連携を進めるとともに、協定の趣旨に賛同する地域金融機関との連携拡大も検討し、系列や地域を超えた広域的なストラクチャードファイナンス連携体制の構築を進める方針だ。