食料自給率、2025年度はカロリーベース37%に低下 生産額ベースは66%に上昇 農水省
農林水産省は2026年8月7日、2025年度の食料自給率を公表した。熱量で換算するカロリーベースの自給率は前年度から1ポイント下がって37%、金額で換算する生産額ベースの自給率は2ポイント上がって66%となった。国民が平時の日常生活で必要とする摂取熱量のうち国産でどれだけ賄えているかを示す摂取熱量ベースの自給率は45%で、前年度から1ポイント下がっている。
食料自給率は、国内で消費される食料のうち、どれだけを国内生産でまかなえているかを表す指標である。分子に国内生産量、分母に国内生産と輸入の合計から輸出と在庫の増減を差し引いた国内消費仕向量を置いて算出する。この基本的な考え方のもとで、熱量ベースのカロリー自給率と金額ベースの生産額自給率という二つの総合指標が用いられてきたが、2025年度からはこれに加え、平時に必要な摂取熱量に対する国産割合を示す摂取熱量ベースの自給率も新たに公表されるようになった。
カロリーベースは37%に低下
カロリーベースの自給率が37%まで下がった主な要因は、国産の供給熱量そのものが減少したことにある。とりわけ米の消費量が前年度の53.3キログラムから52.0キログラムへとおよそ2%減り、あわせて民間の在庫量が増加したことが、国産供給熱量を押し下げる方向に働いた。1人1日当たりの国産供給熱量は830キロカロリーで、総供給熱量2,237キロカロリーに占める割合として37%という数字が導かれている。
一方、生産額ベースの自給率が66%へ上昇した背景には、国内生産額の増加がある。米や畜産物の国内価格が上昇し、これらの品目の国内生産額が伸びたことが押し上げの主因となった。ただし野菜や魚介類については国内生産量そのものが減少し、生産額を押し下げる方向に働いたため、上昇幅は一定の範囲にとどまった。
また、新たに導入された摂取熱量ベースの自給率は、平時に国民が日常生活で必要とする摂取熱量1,850キロカロリーを分母とし、1人1日当たりの国産供給熱量830キロカロリーを分子として算出する。1,850キロカロリーという基準値は、成人男性の基礎代謝量がおおむね1,300から1,600キロカロリーであることを上回る水準であること、そして厚生労働省の国民健康・栄養調査における1人1日当たり平均摂取熱量の過去最低値が2010年の1,849キロカロリーであったことを踏まえて設定された。この指標は、2025年4月11日に閣議決定された新たな食料・農業・農村基本計画で新設されたものだ。
長期的な推移をたどると、日本の食料自給率は米の消費が減る一方で畜産物や油脂類の消費が増えるという食生活の変化を背景に低下傾向を続けてきたが、2000年代に入ってからはおおむね横ばいで推移している。
飼料輸入は海外に依存
畜産物の自給率をとらえる際には、飼料の輸入依存という視点も欠かせない。総合食料自給率は、輸入した飼料で育てた畜産物の生産分を国内生産から除いて算出しており、食料安全保障を図るうえでの基礎的な指標と位置づけられている。この算出方法に対し、輸入飼料による生産分を除かずに算出する「食料国産率」も、2020年3月に閣議決定された基本計画で位置づけられ、以降あわせて公表されるようになった。
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両者の差が最も大きく表れるのが鶏卵だ。自給率は11%にとどまるのに対し、食料国産率は97%に達し、その差は86ポイントに及ぶ。鶏そのものは国内で飼育されているため国産率は高く算出されるが、餌となるとうもろこしなどの穀物の大半を輸入に頼っているため、輸入飼料分を除いた自給率は低くなる。牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳・乳製品についても同様の構造が見られ、いずれも自給率と国産率の差は35ポイントを超えている。日本の飼料自給率は2025年度概算で24%にとどまり、この飼料自給率の低さが畜産物全体の自給率を押し下げる要因となっている。米や野菜のように栽培工程が国内で完結する品目では、こうした差はほとんど生じない。
諸外国と比較した自給率は低さ際立つ
諸外国と比較すると、日本の食料自給率の低さは一層際立つ。農林水産省が2023年の数値をもとに試算した結果では、カナダがカロリーベース195%、生産額ベース115%、オーストラリアが257%と141%といった高水準を示しており、穀物や油糧種子の生産量が多く人口規模が小さい国ほどカロリーベースの自給率が高くなる傾向が見て取れる。一方、生産額ベースでは野菜や果実の輸出量が多いイタリアがドイツやイギリスを上回るなど、価格の高い品目の動向がより強く反映される。日本はカロリーベース37%、生産額ベース66%となり、比較対象となった主要国の中でもカロリーベースは最も低い水準にとどまった。
供給カロリーの国別構成を見ると、2025年度の国産割合は37%で、輸入元としてはアメリカが26%、カナダが11%、オーストラリアが10%を占める。国産とこの3か国を合わせると、供給熱量全体の84%に達する計算だ。食料消費額の面では国産が66%を占め、輸入元はアメリカが9%、中国が4%、オーストラリアが3%と続き、これら4者で消費額全体の82%を占めている。
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