タイガー魔法瓶が建築分野に新規参入、東急のデータセンター実証で断熱建材提供 

タイガー魔法瓶は2026年8月5日、東急、東急電鉄、イッツコム、東急建設の東急グループ4社が2026年6月から進めている鉄道高架下でのモジュール型データセンター実証実験において、断熱建材の技術サポートを行ったと発表した。タイガー魔法瓶としては建設分野への新規参入となる。

鉄道高架下の都市型データセンターの実証実験の様子

実証実験は大井町線の高架下に設置したモジュール型データセンターを舞台に、鉄道高架下という特殊な環境がサーバーに与える影響を検証するもの。筐体の遮音性や断熱性、免震性、冷却性能に加え、通信品質についても確認を進めている。東急建設は、温度安定性や冷却効率を確かめた上で、都市型データセンターにおける断熱建材としての実用性を見極める考えだ。

タイガー魔法瓶が提供するのは、独自開発した「ステンレス密封真空断熱パネル TIVIP」。魔法瓶に使われる真空断熱技術を応用した建材で、熱伝導率は0.0025W/m・K以下と、従来の断熱材と比較して断熱効果は約10〜25倍に達する。厚さは発泡ウレタンの約10分の1に抑えられる上、真空状態を30年以上維持できる耐久性を備える。同社が実施したリーファーコンテナでの保冷実証では、従来品と比較して消費電力とCO₂排出量をともに45.9%削減した実績もある。

高架下という限られた空間に設置されるモジュール型データセンターでは、内部の温度環境を安定させることが冷却効率やサーバーの安定稼働に直結する。タイガー魔法瓶は、TIVIPの高い断熱性能によって温度変動を抑え、冷却にかかるエネルギーの低減とサーバーの安定稼働の両立に貢献するとしている。

タイガー魔法瓶は1923年に「虎印」のガラス製魔法瓶の製造で創業し、100年以上にわたり「温度」に関する技術を追求。真空断熱技術と熱コントロール技術を応用し、真空断熱ボトルを始めとする家庭用・業務用の真空断熱容器(魔法瓶)、炊飯器等の調理家電、輸送・建築・宇宙・医療等の分野での産業用部品及び製品の製造販売を、世界約60か国で展開している。