関西とベトナムの共創拡大へ 万博契機にビジネス連携と新たな挑戦が加速

(※本記事は経済産業省近畿経済産業局が運営する「公式Note」に2026年3月19日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

積み重ねが育てた信頼から、新たな挑戦へ-関西×ベトナムの共創拡大-

今回は、在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館のハー領事(商務部 部長)に、万博の成果や関西での今後の取組に関する展望を伺いました。なお、本記事の内容は、インタビュー実施時点(2025年12月)の情報に基づいています。また、掲載している写真は、在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館よりご提供いただいたものです。

来場者170万人、数々の受賞――万博で示したベトナムの創造力と組織力

Q:万博期間中の最も重要な成果は何でしたか?

今回の万博は、ベトナムにとって万博博覧会史上でも最も成功した事例の一つと位置づけられます。会期6ヶ月間で、ベトナム・パビリオンの来場者数は約170万人に達し、館内では文化・観光・ビジネス交流をはじめとする、1400回を超える多彩なイベントを開催しました。また、展示デザイン部門では銀賞、さらに運営体制やチームワークに対する評価として、国際的な有識者・アドバイザーで構成されるデザイン分野の審査団から最優秀パビリオン部門の銅賞を授与されました。

これらの受賞は、ベトナムの創造性やデザイン力、運営面における高い組織力が国際的に評価されたことの証だと考えています。展示内容においては、「水上人形劇」に代表される伝統文化と、インタラクティブなデジタル展示や没入型体験といった最新技術を巧みに融合させ、来場者に多層的な体験を提供しました。その結果、ベトナム・パビリオンは万博でも有数の人気パビリオンの一つとなり、豊かな文化的アイデンティティを備えたダイナミックで革新的な国としてのベトナム像を強く印象づけることができました。

万博博覧会ベトナム・パビリオン

万博を「商談会場」に――領事館がつないだ日越ビジネスの実装

Q:万博期間中の印象的な出来事は何でしたか?

ベトナムの万博への参加については、ベトナムの文化・スポーツ・観光省が主管として統括しましたが、我々としても会期の終了まで一貫して、さまざまな側面から支援および協力を行いました。特に経済連携の促進に注力し、万博期間中にはビジネス分野に関するイベントを多数開催しました。

特に印象に残っていることは、9月9日のベトナム・ナショナルデーを軸として展開した一連のプログラムです。その一つとして、ベトナム商工省(産業貿易省)が主導するビジネス代表団が来日し、日本の信用金庫との連携のもと、日越間の経済協力およびビジネス交流を促進するカンファレンスを開催しました。万博という国際的な舞台が、ベトナム企業と日本企業が相互にパートナーシップを模索し、具体的な関係構築の機会となったことは大きな成果の一つです。実際に、参加企業の中には、この機会を契機として自社製品の販路拡大に繋がった事例や、日本側の有望なパートナーと出会い、協業に向けた具体的な協議に入っている事例もあります。

当日は、同日に多数の関連イベントが重なる中での開催となりましたが、それにもかかわらず高い関心と参加を集め、大きな手応えを感じました。こうした連携は非常に効果的であり、我々は万博が終了した後の現在も、大阪商工会議所(OCCI)、ジェトロ(JETRO)、国際ビジネス振興センター大阪(IBPC)、大阪産業局(OBDA)など多くの関係機関と密接に関わり、日本企業のニーズに関するデータも長年にわたり蓄積しており、より適切なマッチングに努めています。

日越間の経済協力およびビジネス交流を促進するカンファレンス

関西は「世界から選ばれる成長拠点」―ベトナムとともに描く次の成長曲線

Q:今後、関西で国際交流やビジネス促進のための取組を予定されていますか?

関西地域には、大きく三つの強みがあります。

第一に、京都、大阪、奈良、神戸といった主要都市を擁し、日本文化と食の中心として国内外から高い評価を受けている点です。多様で奥行きのある文化資源に加え、世界的に知られる食文化を背景に、関西は日本の観光産業を支える重要な地域であり、常に多くの観光客を惹きつけています。

第二に、関西は産業とイノベーションの拠点であることが挙げられます。大企業、中小企業、研究機関、大学が集積し、とりわけ製造業、先端技術、新素材、ライフサイエンス分野において高い競争力を有しています。

第三に、関西は国際的な接続性が高く、大型国際イベントの開催実績も豊富です。さらに日本のサプライチェーンにおいて重要なハブ機能を担っており、この点も関西ならではの強みだと考えています。万博を通じて、世界の人々が関西を「世界から選ばれる成長拠点」としてより深く認識したと思います。

一方、日本全体としては、金融や技術で大きな強みを持つ反面、労働力や一部の製造資材において課題を抱えており、海外との連携への関心が高まりやすい側面があります。他方、ベトナムは発展段階にあるものの、豊富で多様な労働力、農産品、天然資源といった強みを有しており、両国の補完関係は極めて大きいといえます。

そのうえで重要なのは、関西とベトナムが長年にわたり実務レベルで深いビジネス連携を続けてきたという事実です。だからこそ、貿易、ものづくり、農業などの普遍的なテーマだけでなく、越境EC、資本提携、M&Aなどよりチャレンジングな分野にも踏み込める段階に来ていると感じています。ベトナム政府としてもこうした新しい動きを強く意識しており、企業同士の潜在的なマッチングを可視化・促進するプログラムやツールを整備することができれば、ベトナムと関西の協力関係を次の段階へと引き上げることができると期待しています。

関西・ベトナム経済フォーラム

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