堀場エステック、半導体向け部品の国内生産能力を最大3倍へ 京都福知山工場が本格稼働
HORIBAグループで半導体事業を担う株式会社堀場エステック(本社:京都市南区上鳥羽鉾立町11-5、代表取締役社長:宮本 武志)は2026年6月11日、主力製品であるマスフローコントローラー(MFC)や薬液濃度モニターなどを生産する「京都福知山工場」の本格稼働を開始したと発表した。
福知山工場は延床面積23,292㎡の2階建て施設で、京都府福知山市三和町みわ4番地1に立地する。2024年7月に着工し、2026年1月に竣工した。投資総額は約170億円。稼働開始時点の従業員数は約50名(2026年5月末時点、請負社員・アルバイトを含む)で、2030年までに600〜800名体制への段階的な拡充をめざす。
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同工場の最大の特徴は、自働化ラインと自動搬送装置を組み合わせた量産体制にある。約1万平方メートルの生産エリアでは、MFCと薬液濃度モニターに加え、自社製品に用いるプリント基板を生産する。MFCの生産においてはロボットアームを導入し、これまで手作業で行っていた調整工程を自働化した。省人化だけでなく、作業手順のばらつきを低減して品質を安定させる狙いがある。工場内の搬送には、あらかじめ設定されたルートを走行するAGV(Automated Guided Vehicle)と、自律的に走行経路を判断するAMR(Autonomous Mobile Robot)を導入した。これらの自働化設備により、国内のMFC生産能力を将来的に最大約3倍、薬液濃度モニターの生産能力を最大約2倍まで引き上げることが可能になる。
工場運営の高度化に向けては、HORIBA独自のデータマネジメントシステムを活用し、工場内に分散する情報の一元管理を推進する。MFCを生産するクリーンルームには、クリーンルーム内の空気中に含まれる分子状汚染物質をモニタリングするHORIBA製のAMCモニタリングシステムをはじめ、各種計測機器を設置している。設備の運転データやモニタリング情報を可視化・分析することで、工場運営とエネルギー運用の最適化につなげる方針だ。また、生産工程で得られるデバイスごとの特性データを、隣接する研究開発拠点「京都福知山テクノロジーセンター」と共有し、AIやデジタルツイン技術を活用することで、製品開発の効率化と次世代技術の早期実装を図る。
環境面では、経済産業省、環境省、国土交通省が推進するZEB(Net Zero Energy Building、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現している。屋上には総面積約5,000㎡の太陽光パネルを設置し、発電した電力を工場内で最大限活用する。余剰電力は水電解により水素へ変換・貯蔵し、燃料電池による発電に活用する仕組みで、「つくる・ためる・つかう」エネルギー循環を工場全体で実現している。
株式会社堀場エステックは今後、福知山工場の稼働を機に京都福知山テクノロジーセンターとの連携を本格化し、研究開発から量産までを一体的に担う拠点として福知山エリアを確立していく方針を示している。