大企業景況感が4期ぶりに悪化 自動車や建設が重荷に 設備投資は8.2%増の見込み

景況感、4期ぶりに「下降」超

内閣府と財務省が2026年6月11日に発表した法人企業景気予測調査(2026年4〜6月期調査)によると、「貴社の景況判断」BSI(Business Survey Index)を全産業・大企業でみると、2026年4〜6月期の現状判断はマイナス0.5ポイントとなった。調査時点は2026年5月15日で、資本金1千万円以上の法人を対象に四半期ごとに実施している統計調査であり、今回の標本法人数は全産業で1万4570社にのぼる。

BSIは前回調査(2026年1〜3月期)の4.4ポイントから大きく低下し、2025年4〜6月期以来4期ぶりの「下降」超に転じた。中堅企業はマイナス3.9ポイント、中小企業はマイナス17.6ポイントとなり、全規模が「下降」超を記録した。

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大企業の業種別では、製造業で情報通信機械器具製造業(9.3ポイント)と生産用機械器具製造業(7.8ポイント)が上昇に寄与した一方、自動車・同附属品製造業がマイナス19.4ポイントと大幅な下降超となり、全体を押し下げた。非製造業では建設業(マイナス10.9ポイント)と情報通信業(マイナス7.7ポイント)が下降を牽引した。

国内景況も4期ぶりの悪化 中小企業の落ち込みが顕著

「国内の景況判断」BSIも大企業・全産業でマイナス4.5ポイントと4期ぶりの「下降」超を記録した。中堅企業はマイナス14.3ポイント、中小企業はマイナス28.2ポイントとなり、企業規模が小さいほど景況感の落ち込みが大きい結果となった。

先行き見通しでは、大企業は2026年7〜9月期に全産業ベースで4.3ポイントへ回復し「上昇」超に転じると見込まれている。中堅企業も同期に1.8ポイントと「上昇」超を見込むが、中小企業は同期もマイナス10.6ポイントにとどまり、「下降」超からの脱却は当面見通せない。国内景況についても、大企業は2026年7〜9月期にマイナス1.4ポイント、2026年10〜12月期に1.8ポイントと、「上昇」超への転換は2026年10〜12月期となる見通しを示した。

雇用不足は60期連続 全規模で人手不足が深刻

「従業員数判断」BSIは2026年6月末時点において、全産業・大企業で25.7ポイントを記録し、2011年9月末以降60期連続の「不足気味」超となった。中堅企業は34.5ポイント、中小企業は27.6ポイントで、先行きも全規模で不足超が継続する見通しとなっている。

売上高は増収見込みも、経常利益は減益 輸送機械・非鉄金属が重荷

企業収益の2026年度(令和8年度)見込みでは、売上高が全産業で前年度比3.3%増となり(金融業・保険業を除く)、製造業は4.3%増、非製造業は2.9%増となった。増収への寄与が大きい業種として、製造業では自動車・同附属品製造業(5.7%増)と生産用機械器具製造業(9.5%増)が挙げられた。非製造業では卸売業(2.1%増)と小売業(3.0%増)が増収を牽引する一方、鉱業・採石業・砂利採取業(マイナス4.6%)が減収に寄与した。

一方、経常利益は全産業で前年度比2.4%減と減益の見込みとなった。製造業はマイナス4.7%、非製造業はマイナス1.7%で、非鉄金属製造業(マイナス22.2%)やその他の輸送用機械器具製造業(マイナス31.4%)の大幅減益が製造業全体を引き下げた。非製造業では運輸業・郵便業(マイナス15.5%)と建設業(マイナス5.9%)の落ち込みが目立った。

設備投資は前回調査から大幅上方修正 電力・情報通信が牽引

2026年度(令和8年度)の設備投資額(ソフトウェア投資額を含む、土地購入額を除く)は、全産業で前年度比8.2%増と前回調査結果の3.5%から大きく上方修正された。製造業は10.1%増、非製造業は7.2%増で、電気・ガス・水道業(39.3%増)や情報通信機械器具製造業(29.8%増)が押し上げ要因となった。設備の過不足感を示すBSIも、大企業(3.8ポイント)・中堅企業(5.9ポイント)・中小企業(10.4ポイント)のいずれも「不足」超となり、投資需要の底堅さを裏付ける結果となった。

投資スタンスは大企業「維持更新」、中小企業「能力拡大」が最重視

今年度の設備投資スタンスでは、大企業全産業で「維持更新」が63.7%と最も重視され、「省力化合理化」(43.9%)、「生産(販売)能力の拡大」(42.3%)と続いた。中小企業では「生産(販売)能力の拡大」が52.0%で首位となり、規模による投資戦略の違いが鮮明に表れた。

資金調達方法では、大企業の全産業・非製造業ともに「内部資金」を最重要視する割合が最も高く(全産業69.6%)、大企業製造業のみ「民間金融機関」が68.3%でわずかに首位となった。中小企業では「民間金融機関」が73.6%で首位となり、借入依存の構造が続いていることが示された。

次回調査(2026年7〜9月期分)の公表は2026年9月11日(金)を予定している。

出典:内閣府・財務省「法人企業景気予測調査結果」(2026年4〜6月期調査、2026年6月11日公表)