PFAS「永遠の化学物質」を分解する新技術を開発 環境汚染の解決策となるか?
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年12月13日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

PFAS(有機フッ素化合物の中で、パーフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物に分類される化学物質の総称)は一度使用されると環境中に長期間残存する特性から「永遠の化学物質」というニックネームで知られている。
これらの合成化合物は水や油を弾く性質を持ち、一般消費者向けの製品から工業用製品に至るまで広く使用されている。そのため、現在では環境のあらゆる場所で検出される状況になっている。
通常の化学物質は廃棄後、比較的短期間で分解されるが、PFASは1,000年もの間分解されずに残留する可能性がある。この耐久性は、泡消火剤、焦げ付き防止調理器具、防水衣類、食品包装材などで利用するのに適している。
しかし、土壌や水源、さらには生物体内にまで残留し蓄積することで、生態系および人間の健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。

PFASによる悪影響が指摘され始めた1980年代後半から1990年代初頭にかけて、PFASは発がん性、免疫抑制、ホルモン障害などの健康問題と潜在的に関連している可能性が明らかになった。この問題に対し、科学者たちはこれらの強固な化学物質を分解する効果的な方法を模索してきた。
私たちの研究チームは、光を利用して「炭素-フッ素(C-F)結合」を分解する化学システムを開発した。私たちの研究成果は2024年11月に『Nature』誌に掲載され、この技術が広範な汚染問題の解決に役立つことを願っている。
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