IDOM、初の複合商業施設開発へ 山梨県南アルプス市と「サステナブル型商業施設」建設で協定締結
中古車の「ガリバー」を運営する株式会社IDOMは、山梨県南アルプス市が推進する「南アルプスIC周辺整備事業」の中央エリア活用における公募に参入事業者として選定され、同市と立地協定を締結した。IDOMがデベロッパーとなり、衣・食・住などあらゆる領域の企業とともに、初の本格的な複合商業施設の開発に取り組む。
本施設は「リユースで暮らしを自由にアップデート」をコンセプトに、循環型社会の実現を事業の核に据えた商業施設として計画されている。IDOMはこれまで中古車流通を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを自社の存在価値と捉えてきた。今回の新規事業は、その「リユース文化」の醸成を中古車の枠を超えてライフスタイル全般へと拡げていく取り組みと位置づけている。
計画されているコンテンツは大きく4つのエリアで構成される。第一に、リユース&サステナブランドが集うショッピングエリア。洋服やインテリア雑貨、モビリティまで、リユース品を扱うブランドや、修理・リサイクルに取り組むブランドを誘致する。日本を代表するアウトドアブランドや、トレンドを牽引するセレクトショップなど、県内初出店を含むラインナップを予定している。第二に、県内最大級の規模を誇る全天候型のキッズエリア。屋外には障がいの有無や身体能力にかかわらず遊べる「インクルーシブ遊具」を備える広場、屋内には県内初となる国内有数のデジタルアート施設や、職業体験を通じて学べる学習施設を併設する。第三に、フード&ブックミュージアムエリア。定番の人気店から山梨県初上陸となるチェーンまでが揃う食のエリアに、絵本や児童書の蔵書数が国内有数となるブックミュージアムを併設する。第四に、モールの中央に位置するセントラルコモンズ。音楽フェスや地域のお祭り、フリーマーケット、隣接する施設「fumotto」と連携したイベントなどでの活用を想定する。
事業の体制は、IDOMがデベロッパーとなり、コンセプトに共感する複数領域の企業を誘致して共同で施設を構築する形をとる。出店テナントの詳細は機密保持の観点から現時点では非公表とされ、計画進捗に応じて順次発表される。連携先となる南アルプス市は「子育て日本一」を掲げており、IDOMはこのビジョンへの共感を立地選定の理由として挙げる。プロジェクト用地は中部横断自動車道・南アルプスICからすぐの場所にあり、敷地面積は約3.3ヘクタール。開業予定は2028年度中とされている。
中古車買取・販売を主軸としてきたIDOMにとって、複合商業施設の本格的な開発は初の取り組みとなる。リユース品を扱うブランドや環境配慮型のブランドを核に商業施設を構成する事例は、これまで一般的な大型モールでは限られてきた。今回の事業は、リユース文化を商業施設という形で地域生活に組み込む試みであり、子育て世帯の暮らしを支えるとともに、官民連携による地域価値の創出を目指す取り組みとして展開される。