地元が主役のまちづくり 住民との連携で地域の価値を向上
コロナ禍で大きな事業環境の変化に直面する鉄道業界。明治32年の開業から、地域の移動とまちづくりを支えてきた京急電鉄では、沿線各エリアとの相互連携で、持続的に発展する豊かな沿線の実現に取組む。
京浜急行電鉄(京急電鉄)は、都内南部から川崎を経て横浜を繋ぎ、三浦半島へ至る鉄道インフラを支えている。1899年1月、大師電気鉄道として開業し、その3カ月後に社名を京浜電気鉄道へ変更した歴史を持つ。創業時は六郷橋と川崎大師間の2kmを走行する単線に過ぎなかったが、目標は「京浜間に電車を走らせる」こと。この目標は創業6年ほどで達成し、沿線には工業地帯が成長していった。
コロナ禍で利用者減が早まる
京急電鉄社長の原田一之氏は「品川・羽田・横浜を結ぶ京浜間のポテンシャルが我々の事業の原点です。京浜臨海部という土地の持つ可能性を活かし、それぞれのエリアに関わる人々と連携し、鉄道やバスで協力することでまちを作っていく。これが、他の鉄道会社にはない、我々の独自性かと思っています」と話す。
コロナ禍以前から、2035年度に向けた長期ビジョンを策定していた同社。京浜間を中心とした沿線開発に注力してきたが、コロナ禍で事業環境は大きく変化した。
「もともと、少子高齢化は課題となっていましたが、もう少し先だろうと思っていた『お客さまの減る状態』が1年でやってきました。2035年までの長期スパンで沿線をどう見ていくかと同時に、ここ数年をどう立て直すかという課題が生じています」。
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