共創で地域の新ビジネスをつくる 高速道路のポテンシャルを生かせ

東日本高速道路(NEXCO東日本)は、自治体や民間企業、スタートアップと共創しながら、高速道路というアセットを生かした新事業創出で地域社会の発展、社会課題の解決に挑んでいる。新事業創出で何を目指すのか、同社常務執行役員サービスエリア・新事業本部長の吉見秀夫氏に聞いた。

吉見 秀夫 東日本高速道路(NEXCO東日本)常務執行役員 サービスエリア・新事業本部長

民間のノウハウを活かした経営の効率化と顧客視点によるサービスの運営を目指して日本道路公団が東日本、中日本、西日本の3社に分割民営化されたのは2005年のこと。このうちNEXCO東日本は北海道、東北、関東地方、新潟、長野県をエリアとし、総延長3943㎞の高速道路を有し、年間274万台の車が利用している。

サービスエリアを地域に開放
人材育成の研究テーマにも活用

同社では設立以来「高速道路の効果を最大限発揮させることにより、地域社会の発展と暮らしの向上を支え、日本経済全体の活性化に貢献します」という経営理念、そして「地域・国・世代を超えた豊かな社会の実現に向けて、“つなぐ”価値を創造し、あらゆるステークホルダーに貢献する企業として成長します」という経営ビジョンを掲げ、日々の事業に取り組んでいる。

それらを具現化する取組の一つがSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)の活用だ。管内に328カ所あるSA、PAのうち196カ所に備わる商業施設を「地域との結節点」と位置づけ、その半分以上に当たる110カ所で一般道から施設を利用できるよう入口を設け、地域住民に開放している。

例えば、東北自動車道蓮田SA(上り線)では2019年7月の移転オープンの際、商業施設のスペースを2倍に拡張し、生鮮食料品も扱うようにした。併せて一般道から来る地域住民のために92台分の駐車場を設けるとともに、JR蓮田駅とを往復するシャトルバスの運行もスタートし、日常的な買い物の拠点として利用できるようにした。事前に蓮田市、蓮田市商工会と連携し、地元の農産物の販売所を設ける案なども採用した。「周辺にスーパーがないエリアだけに喜ばれています」という。

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