捨てるという概念を「捨てる」 イオンと連携のリユースブランド

1人当たりのプラスチックゴミ廃棄量が世界2位の日本で、去る6月にプラスチック資源循環法が成立し来春施行される。こうした状況下で、いち早くイオンと組み実証実験を始めた循環型ショッピング・プラットフォーム「Loop」について、日本代表のエリック・カワバタ氏に聞いた。
文・矢島進二(日本デザイン振興会 理事)

 

エリック・カワバタ(Loop Japan合同会社 アジア太平洋統括責任者)

Loopは、世界20カ国以上でリサイクル事業を展開する米テラサイクルが開発した「使い捨て文化」からの脱却を目指す新たな商品提供システムだ。洗剤などの日用消耗品や食品の容器を、ステンレスやガラスなど耐久性の高いものに変え、使用済み容器を回収し、洗浄・再充填を行い再び流通させることで、プラスチックの使い捨てを大規模に削減するのが目的だ。

Loopは2020年度グッドデザイン金賞を受賞

2019年のダボス会議でLoopは発表され、すぐにアメリカとフランスでスタート。その後イギリスとカナダで展開し、5月から始まった日本は5ヵ国目だ。これまで約200社が参加し、500点以上の商品が展開されている。

テラサイクルの創業者が、洗浄したペットボトルにミミズの糞を入れ堆肥化するサービスを始めた経験から、「廃棄物は商品になる」と思いついたのが創業の契機だ。「誰の役にも立たない廃棄物を出すのは人類だけです。他の生物が排出するものは全て循環します」。テラサイクルとLoopの両社でアジア太平洋統括責任者を務めるエリック・カワバタ氏の根本的な思想もここにある。

カワバタ氏は、東京大学大学院法学政治学研究科特別研究生を経て、複数の投資銀行でリーガル・カウンセル等を歴任。趣味がマリンスポーツで、珊瑚の白化現象を知り環境問題に興味をもち、サーキュラーエコノミーやサステナビリティーのコンサル業に10年間以上従事し、2013年にテラサイクルにジョインする。

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