課題解決に向けシナリオ作成 実践した修了生2人に聞く

2022年10月に開講した今回のプログラムは、「テーマ討議」、「講義」、「ゼミ」で構成され、全国4カ所でフィールドワークも実施。3月の最終講義では地域の課題解決に向けたシナリオを発表した。

3月の最終講義での集合写真

仕事の責任を再認識
丹波篠山市役所 菅原将太氏

大阪から電車、車で1時間圏内に位置する丹波篠山市は黒豆の産地として知られ、今もしっかりした地域コミュニティが息づいている。一方、基幹産業である農業の担い手は減り続けており、暮らしと仕事を引き継ぐ人材の確保・育成が大きな課題だ。そこで、専門的なスキルを持つ企業に農村部の抱える課題解決にかかわってほしいと考え、「丹波篠山つながり案内所」を開設した。また、当地に多様なかたちで関わっている大学生や社会人も含め、関係人口を見える化する「第2住民票制度」の検討を進めている。

今回、「地域創生Coデザインカレッジ こでざと(以下、こでざと)」に参加したことによって、ふだん市役所で仕事をしていると出会えない方々と出会うことができた。地域の課題解決に関わりたいという企業の熱量も肌で感じることができ、期待していた通りだった。当市の歳入の約7割は国、県などからの財源が占めており、ステークホルダーである市外の人たちにも当市の価値をしっかり伝え、関わっていただく大切さにも気付いた。多様な人を巻き込み、地域を元気にできる地方公務員の仕事に誇りを持ちながら、大切に受け継がれてきた丹波篠山の豊かさ、魅力を守り続けていきたい。

枠を越えて人や社会をつなげる
「越境」コーディネーター 望月啓太郎氏

私自身、転勤の多い家庭に生まれ、氷河期世代でもあったため、働くこと、暮らすことに苦労した半生だった。のちに、東京でオフィスの運営に携わり働き方の変化を実感。働くこと、暮らすことがもっと自由になればと考え、福岡県福津市に移住しパラレルワークにチャレンジしている。地域での交流を通じて働く場所や働き方の選択肢が少ない現状を知り、「こでざと」で学んだことを活かし、地域内で雇用を創出することを目的とした市民団体を立ち上げたところだ。

これまでも地域創生、働き方に関する各種プログラムに参加しアンテナを張る中で「こでざと」に出会った。地域創生に関わる事業をスケールアップし、マネタイズさせ持続可能とするノウハウを身につけたいと考えていたが、新規事業の立ち上げ方、フィールドワークのやり方を体系的に学ぶことができた。途中経過や期待通りの成果が得られないケースも含め、地域創生のリアルな実態を知ることができたのは貴重だった。これまで接点のなかった自治体の方から聞けた生の声も参考にし、講義で学んだ「誰の何を解決するか」を意識しながら、地域の課題を解決していきたい。

7月に第2期を開講

自治体や企業の方など地域創生に関わる多様な主体者が地域創生活動の実践知の習得、構想の具現化のために集い・学び・繋がり続けられる共創の場として、「地域創生Coデザインカレッジ こでざと」は、2023年7月には第2期の開講を予定している。

 

お問い合わせ先

株式会社地域創生Co デザイン研究所
地域創生Co デザインカレッジ こでざと事務局
codezato-inquiry@west.ntt.co.jp
https://codips.jp/

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