カンロ 新たなパーパスを起点にして、新事業領域を開拓

1950年代の「カンロ飴」の大ヒット以降、コンスタントにロングセラー商品を生み出し続けてきた山口県発祥の菓子メーカー、カンロ。コロナ禍を機に新たなパーパスとクレドを設定し、国内外市場でのさらなる事業拡大を目指している。同社の発展経緯と現在の事業戦略について、社長の村田哲也氏に聞いた。

村田 哲也(カンロ株式会社 代表取締役社長)

業界初のヒット商品を
コンスタントに生み続けるカンロ

1912年、山口県で宮本製菓所として創業したカンロ。1950年代に日本人に馴染み深いしょう油を使用して開発した「カンロ飴」が大ヒットし、全国的な知名度を得て事業成長を続け、国内キャンディ市場のトップシェアメーカーへと発展した。

「カンロは2022年に創業110周年を迎えました。この間、時代ごとの事業環境の変化に対応し、消費者のニーズを捉えたイノベーションを起こしながら、当社ならではの価値を提供し続けてきました」と代表の村田哲也氏は語る。

カンロは約10年ごとにロングセラーのヒット商品を生み出してきた歴史がある。社名にもなった「カンロ飴」は1955年発売。しょう油味というインパクトとともに、両端を引いて開けるセロハンのひねり包装を採用した国内初の商品として、業界に大きなイノベーションを起こした。その後、1981年に菓子食品業界初の「のど飴」、1992年に「ノンシュガーのど飴」、2002年には「ピュレグミ」を発売。2012年には、ミルクキャンディのカテゴリで現在トップの人気を誇る「金のミルク」を発売した。グミは、昔は子ども向け商品と認識されていたが、同社は敢えて大人の女性をターゲットにして「ピュレグミ」を発売したところ、大ヒット。菓子業界を牽引する現在のグミブームにつながっていった。

1955年発売の「カンロ飴」(左)は、しょうゆを隠し味に使用したまろやかな甘さとすっきりした後味が特徴。2002年発売の「ピュレグミ」(中)、2012年発売の「金のミルク」(右)

「コンスタントにヒット商品を生み出す背景には、当社の研究開発力と、生活者のニーズを少し先取りして汲み取れる力があると思います。この2つの掛け合わせで、ロングセラー商品を生んできました。また、特に近年はブランド基軸の経営を進めていますが、ブランドを大切に育てていくという企業風土や体質は、昔からあったものだと感じています」

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り67%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。