時事テーマから斬る自治体経営 「事例活用」の注意点

政策づくりの際には、他の自治体の事例を参考にすることが多い。実際の自治体の先進事例や成功事例は大いに参考になるものの、一方でこれらを混同し、「先進的だが失敗した事例」を知らずに真似ている自治体もあるという。他自治体の事例のどのような点を分析し、活用していけばいいのだろうか。

統一地方選挙が終わった。読者が議員の場合は、これからの4年間に向けてやる気に満ちていると思う。早速、政策づくりに取り組もうとしているかもしれない。政策立案を進める際には、他自治体の事例を参照することが多い。今回は、事例を活用する際の注意点を述べる。なお、政策づくりは議員だけではない。首長をはじめとする自治体職員も該当する。その意味で、政策づくりに取組もうとしている人は本稿の読者となる。

ベスト・プラクティスの視点

政策づくりの一手法に、事例を参照にするケースがある。読者は、「ベスト・プラクティス」(Best Practice)という言葉を聞いたことがあると思う。「ある成果を得るために最も効率のよい技法、手法、プロセス、活動等」である。しばしば「最良事例」や「最善慣行」と称される。

政策案を検討するときは、自分たちが実施しようとする施策や事業のベスト・プラクティス(最良事例)を探しだし、その移転可能性を検討していく。他自治体の取り組みから良い事例を抽出し、参考とすることで、政策づくりに活用していく。実は、この一連の取り組みもEBPMである。

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