自治体の人事DXをサポート 人材データの活用で強い組織を作る

様々な領域でデジタル化が進むなか、自治体の人事においても、IT活用が求められている。プラスアルファ・コンサルティングの「タレントパレット」は職員のデータを一元化。人材検索、人事評価、人材配置などの業務を効率化し、自治体の人事DXをサポートする。

鈴村 賢治 プラスアルファ・コンサルティング 取締役副社長

組織の人事課題を
オールインワンでサポート

2021年6月30日に東証マザーズに上場したプラスアルファ・コンサルティング。マーケティング領域でビッグデータを見える化するクラウド型のシステムを開発し、様々な業界業種の企業のDXの推進、データ活用の支援をしてきた。

国をあげてのDX推進の1つの大きなテーマが人事DX。人材マネジメントは、人手不足、働き方改革のなかで民間企業が先行して取り組んできたが、近年、自治体や公共団体においても必要性が増している。

プラスアルファ・コンサルティング副社長の鈴村賢治氏は、「民間企業、自治体含め、現在、人事データは管理しかできていない。人材活用はかなり属人的になっているというのが大きな課題です」と話す。

同社では、HR業界で初となる、人事戦略にマーケティング視点を取り入れた科学的人事を推進。人事の様々な課題をオールインワンで解決するソリューションとして、タレントマネジメントシステム「タレントパレット」を開発した。

人材マネジメントは、人材の確保から育成、最適配置、評価、活躍と、時間軸で追っていく必要がある。しかし、現実は、採用、研修・育成、評価・労務で担当部署が分かれ、データ自体もバラバラに存在する。

「人材マネジメントのレベルをあげようと思えば、まずデータ統合が必要です。我々の開発した『タレントパレット』は、人事データを統合し人材を見える化するプラットフォームとして評価いただいています」と鈴村氏はいう。

「タレントパレット」を使えば、採用から育成、配置、評価、活躍まで各人材の履歴を一目で把握することができ、人材の配置や抜擢がしやすくなる。さらに、各業務の効率化の仕組みも入っており、各業務の効率化をしながら、全体としてはデータを統合し意思決定に使っていくことができる。

タレントマネジメントの
3つのステップ

人材を管理するだけでなく、戦略としてマネジメントしていくには、大きく3つのステップで進めていく必要がある。

図1 人事DXのカギとなる人材マネジメント

タレントマネジメントを組織に導入する際の3ステップ。一度にすべてを完成させるのではなく、段階を踏んで進めていく

 

第1ステップは、人事情報の一元化、評価業務のシステム化、面談業務・ワークフローの効率化といった「業務の効率化」。

「タレントパレット」では、人材の顔写真に勤怠や評価、異動履歴、スキル、資格などのデータを紐づけられ、画面を見ながら簡単なマウス操作で組織・役職などの並び替えができ、簡単に組織図を作成できる。

「今まで、点在していた情報を集めて加工していたものを、1つの画面上にまとめて可視化します。人材の配置や抜擢、場合によっては上司との一対一面談の記録やモチベーションのデータなどを見ながら、離職防止にも活用することができます」。

また、実際に「タレントパレット」を活用する企業・団体の7割が、「タレントパレット」上で人事評価制度を回すことで、効率的かつ公平な人事評価を実現している。同システムで脱Excelをしたことで、評価工数を100時間削減したという実績もある。

業務の効率化を実現した上で、第2ステップとして「人事戦略の意思決定の高度化」を行っていく。タレントマネジメントにおけるデータの活用には大きく4パターンあり、①スキルの見える化と自律的キャリア形成の支援、②能力を活かした最適配置、③エンゲージメント分析、④人材データを活用した採用強化である。

なかでも人材の最適配置については、「タレントパレット」の機能である、「異動シミュレーション」の活用が効果的だ。社員の人事異動や配置を、ドラッグ&ドロップにより画面上で簡単にシミュレーション。職員の異動による人件費の変化や各組織のパワーバランスを瞬時に見える化することができ、人材の最適配置を科学的に検討が可能だ。

「新しい組織を作る場合にも、人材のスキルや能力を見ながら職員を並べ替え、アサインしていくことができます。さらに、作った組織がどんな組織構成になっているかを、リアルタイムに定量的に把握できるのが、異動シミュレーションの特長です」。

第1、第2ステップを終えたら、全体の仕組みを集約していく。これは労務、採用、研修、健康経営などのシステムの統合だ。コスト削減と精度向上を目指していくのが第3のステップとなっていく。

人事戦略をクリエイティブに

「これからの人材戦略は、企業のマーケティングのように、よりクリエイティブに考えることが必要となっていきます。人材情報を可視化することで、これまでのExcelでの『人材の管理』という発想から、人材のクリエイティブ性を引き出す『人材を活かす』人事へと進化させていくことができるのです」。

治体などが人事データを活用する際に心配なのは、権限管理も含めたデータの運用管理だろう。その点、「タレントパレット」はこれまで、数百人の企業や自治体から数千人、数万人の社員を抱えるグループ企業まで、数多くの導入実績を持つ。

「データに関して、どこまで公開するか。データの参照範囲や機能をかなり細かく設計できるようになっており、設計を支援するコンサルティングも行っています」。

人事マネジメント、タレントマネジメントを効果的に行っていく秘訣は、まずは点在する情報の集約化や煩雑になっている評価業務をシンプルにしていくこと。業務を効率化し職員の手が空いたところで、人事データを活用し、人材の採用から育成、配置、さらには離職防止まで、人事戦略の意思決定の精度を上げていく。さらには、コストカットできる業務の範囲を広げる。

重要なのは、最初から欲張らないこと。システムやデータ活用の目的を段階的に設定して広げていくことが、タレントマネジメントの成功の秘訣だ。

「人材活用のレベルが組織力を決める時代になっています。民間企業に限らず、自治体も行政サービスを向上するためには人事管理ではなく人事マネジメント、人材の活用が必要になります。人事戦略をよりクリエイティブにするには、人材を見える化し、データに基づいた組織作りをしていくことが重要です」。

 

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株式会社プラスアルファ・コンサルティング
TEL:03-6432-4018
MAIL:tp_info@pa-consul.co.jp URL: https://www.talent-palette.com

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