2022年・農と食の新施策 農の脱炭素とスマート化を推進

農林水産省では、脱炭素・スマート農業を2022年も推進し、地域ぐるみで挑戦する産地の支援などを計画。食品産業が多様化するニーズに対応するための、横断的なプラットフォームづくりにも取り組む。農林水産業・食品産業の持続的な成長を目指し、若い消費者に向けた情報提供を強化している。

金子 原二郎 農林水産大臣

農林水産業は、「食」の基盤となるのはもちろん、地域の活力維持や国土の保全につながるものとして重要な意味を持つ。農林水産大臣の金子原二郎氏が、2022年からの農林水産省の施策について語った。

環境負荷の低い農業へ
地域の挑戦を支援

農林水産業は、気候変動により既に大きな影響を受けている。持続可能性を確保するために、環境負荷を減らす努力は必須といえる。そこで農林水産省では、2021年に策定した「みどりの食料システム戦略」を、2022年には具体的な施策として進めていく。「みどりの食料システム戦略」は、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させる新たな政策方針。2022年は、地域ぐるみで環境負荷低減に取り組む産地を支援するため、新たな交付金を創設することとしている。スマート農業技術の開発・実証は、環境負荷低減にも大きな役割を果たすものとして支援していく方針だ。

「農業の脱炭素化、スマート農業の実現に向けては、農林水産事業者の間で考え方を共有し、計画的に取り組む必要がある。2022年1月からの通常国会に、必要な法案を提出することを目指しています」と金子氏は話す。

「みどりの食料システム戦略」の実現には、人手をかけずに効率的な農作業を可能にするスマート農業技術の実装が欠かせない。金子氏は2021年11月、スマート農業に取り組む農業法人や国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)を視察した。そして、「新技術は、現場の農家が使ってこそ意味がある。技術の実用化に向けた支援、さらなる研究開発が必要と感じました」という。

そのため、2022年から実施予定の「みどりの食料システム戦略実現技術開発・実証事業」は、2021年度補正予算と合わせると83億円を計上している。この予算を用いて、スマート農業の実現、例えばAIを用いた野菜の自動収穫機や、農作物の生育・病害虫の予測システムなどの開発・実証を進めていくという。

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