働き方が変わる時代、存在感を高めるクラウドソーシング2社

コロナ禍を経て働き方の変化は加速し、在宅勤務の拡大などとともに、フリーランサーと企業をマッチングするクラウドソーシングサービスの存在感も大きくなっている。早くから事業を展開してきた大手2社の動向を見る。

総務省によると、特定の組織に所属せず個人事業主として働くフリーランスの人口は2022年時点で257万人に達し、市場規模に相当する年間総報酬額も約20兆円と5年前の2倍に拡大、正社員の給与総額約180兆円の約9分の1に達している。その市場拡大に大きく寄与しているのが、フリーランサーを仲介するクラウドソーシングサービスで、コロナ禍を経て働き方の変化も加速する中、その存在感はますます大きくなってきた。トップを走るクラウドワークス、それに続くランサーズの動向を見る。

クラウドワークスは2011年の創立。マッチングプラットフォームの「クラウドワークス」は、現在、仕事を請け負うクラウドワーカーが約655万人、発注するクライアントが約99万社に達する。これを基盤に、IT人材、デザイナーやクリエイターの人材派遣、RPAやUI/UX、DXソリューション提供などのマッチング事業と、工数管理やAIなどのSaaS事業を展開する。そのサービス領域はますます多岐にわたっているが、これは積極的なM&Aの成果だ。

たとえば2012年、RPAに特化したフリーランスのマッチングを手がけるPeaceful Morning、2020年に生産性向上SaaSを手がけるCrowdLog、2023年に正社員副業人材特化のフリーランス・マッチングを行うシューマツワーカーを傘下に収め、2023年度は、Peaceful Morningの売上高が前年度比約43%アップ、CrowdLogのARRが5億円を突破、シューマツワーカーの売上総利益が約33%アップするなど、たしかなシナジー効果が出ている。今後は、マッチング事業に注力しつつ、SaaSをはじめとする周辺領域の拡大によって、長期的に流通取引総額2兆円、報酬額1.7兆円を目指すという。

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