現代は機能分化した社会 自己観察によって手掛かりを得る
前回、現代社会は機能分化した社会であるとしてきた。確認しておこう。社会は、環節的分化から階層的分化を経て、機能的に分化した社会へと発展を遂げてきた。環節的分化とは、種族・村落・家族のように同等なものへ分化した社会のことである。階層的分化は、神・聖職・貴族・民衆・農奴のようにヒエラルキー的に分化した社会である。そして機能的に分化した現代社会は、機能の領域ごとに分化――法・科学・経済・教育・芸術…――している社会である
法廷で議論することは法的なコミュニケーションであり、モノを売買することは経済的なコミュニケーションというように、社会の機能の観点から分化している。このように機能的に分化した社会においては、コミュニケーションはあくまで情報内容に即して整序されている。こうしたコミュニケーションのまとまりを機能システムと呼んでいる――たとえば、法システム・経済システム・科学システム…。
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