化学製品で社会基盤を支え 「成長」と「脱炭素」の両立を目指す
今年で創業90周年を迎えた東ソー。引き続き「成長」と「脱炭素」の両立を目指し、今期からグループ事業を「チェーン事業」と「先端事業」に再定義した。前者では塩素の高付加価値化による収益の安定・拡大、後者では大型の新規事業創出による収益基盤の拡大を目指す。

桒田 守 (東ソー 代表取締役社長 社長執行役員)
成長と脱炭素の両立に向け
新中計で事業を再定義
1935年、ソーダ工業におけるモノとエネルギーが循環する「近代的一大理想工場」を目指し、東洋曹達工業として設立された東ソー。苛性ソーダや塩化物、臭素など、工業生産の基盤になる基礎化学品を中心に製造し、繊維産業をはじめとする日本の経済・産業の発展を支えた。その後、ソーダ生産工程で発生する石灰石の残渣や副生物を原料にセメントの生産に着手する。高度経済成長期には塩ビモノマー、ポリエチレン、合成ゴムといった石油化学工業に参入。1980年代に多角化を進め、医療・臨床検査分野やエレクトロニクス分野など新規事業に進出した。
1990年代半ばには、スペシャリティ部門への投資が実を結ばなかったことや、中東でのプロジェクトの頓挫などが重なり企業存続の危機に直面した。その後、事業構造改革を実施。塩化ビニルと苛性ソーダ、イソシアネートなどの「コモディティ事業」と、排ガス浄化触媒用ハイシリカゼオライトやバイオ医薬品の製造工程で使用される分離精製剤など「スペシャリティ事業」の2本柱でハイブリッド経営を進めた。
全従業員の約半数が就業している、東ソーのマザー工場である山口県周南市の南陽事業所。歴史は長く、周南コンビナートの中核を占めている
2025年4月からスタートした向こう3カ年の中期経営計画では、事業構造・戦略をより的確に反映した事業区分を定めた。塩水を電気分解する工程・ナフサを熱分解する工程を起点とし、クロル・アルカリ(塩素・苛性ソーダなど)や石油化学製品を中心に扱う「チェーン事業」と、それらとは設備上のつながりがないバイオサイエンス、高機能材料、連結子会社であるオルガノの水処理エンジニアリング事業からなる「先端事業」だ。
「事業の幅が広いこと、それによる安定した経営は東ソーの特徴です。チェーン事業から先端事業まで、どれかが落ち込んでもどれかでカバーできるのです」と、社長の桒田守氏は強みを語る。
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